act 3

アレから、一週間ほど過ぎたが、神楽の事が頭から離れなかった

今まで、後悔しかしてない
駄目でもいい、後悔だけはしたくない
沖田は、神楽は高杉のものだと分かっている
それでも、欲しいと思う。何を言われても、高杉に殴られても、自分の気持ちを伝えたかった

それから、沖田は、仕事の休みや合間をぬって神楽を探す

クラスの中には、神楽の居場所を知ってる子も居る・が、高杉と仲むつまじくしてる所に、自分で
引っ掻き回すことは分かっているので、皆住所は教えないだろうと考えた
ただ、大学はお妙と一緒なのは、分かっていたので、近藤に大学の名前と場所だけ聞いて,外をウロウロしたり、時には中に入ってまで、神楽を探した

そうこうしてる間に、沖田の容姿は、本人が知らないところで瞬く間に広がっていった
時々現れるあのイケメンは、何処の学部だとか、誰だとか・・・。
大学中で、噂になりつつあった

「チャイナがココの大学なのは分かってるんだがな〜」

丁度空いてるベンチを見つけ、ドサッと其処に腰掛ける。
初めから簡単に見つかるとは思っていない。ただ、神楽の頭の色は、はっきり言って特色だ
それを目印にいけば、うまくいけば見つかるかもと思っていたのも事実だった
日に日に、強くなっていく思い、考えるのは、神楽の事ばかり、仕事もあまり手が付けれず、土方が怒鳴るのをいつも以上にスルーしていた


なんせ広い大学だから、一向に神楽は見つからない


「あの、お名前教えてくれませんか・・・」
沖田がベンチにふんぞり返って、頭を悩ましていると、女が声をかけてきた、踏ん反り過ぎて、ベンチから体を反って下の草木を凝視していた頭を、真正面に戻す

そこには、女・・・が一人ではなく、わらわらと沖田の座るベンチに集まってきていた
やっとの事で、噂の男を女達はみつけ、どうやって声をかけようか迷っていたら、運よく沖田がベンチに座った
これぞとばかりに女たちは団結し、目の前の男に集まり、集団質問を投げかけたのだった



「何学部ですか??」
「おいくつですか・?」
「彼女いますか?」

色とりどりの質問が沖田に向かって突き刺さる
今はとりあえず何をいっても返答されて、終わらない気がしたのでとりあえず、ベンチを立ち、逃げた。
女は、ものすごく残念そうに「あ〜〜〜〜」と、沖田の姿を見送る

面倒くさい質問の嵐から逃げ、一息ついた所で、沖田は見つけた
しかし、見つけたのは、ずっと探していた人物では無く、その探している人物の彼氏・・高杉だった

<丁度いいでさぁ。こそこそするのは俺には向かねぇ。先に言っとくか>

思うが早く、高杉の元へ近寄る
が、高杉は一人ではなかった

腕に絡ませる女の手。ピタっとくっつき、強く高杉の腕にしがみつく
その顔には、幸せと書いているようだった
高杉も自愛の笑みを向け、二人で歩いている

光景を見るや否や、沖田の体は動いていた

つかつかと沖田は高杉に近づく

肩をグイっと引っ張り、力任せに拳を振り下ろした
高杉も、いつもはこんな事はない。
ただ、自分と同レベルの力を持った沖田だからこそ、気配に気付かなかった

「っ・・・・痛てぇ・・」
唇が切れ、血が滲み出す。

女はハンカチを取り出し、唇に当てる

「いきなり、何するっスカ!!」

高杉をかばうように、女は仁王立ちをし、沖田の前に立ちふさがる

が、沖田の目は、笑ってない・・そう判断すると、高杉はすぐにまた子を横にどかせた

「目が据わってやがんな・・・」
高杉は、舌を打ち、ゆっくりと立ち上がった
無言で立つ沖田は、話すより逆に怖く、どす黒いオーラが高杉にまとわり付いた

「とりあえず、このヤバイオーラをどかせや、沖田」 
まだ余裕の表情で笑いながら沖田を、同じ様に射るように睨んだ


そこに割り込んできたのは、先ほどの女であった
「えっ??神楽ちゃんの彼氏の??」

さっきまでまとっていた、オーラは消え、また子の言葉に首をかしげる

「何いってんでィ。彼氏は、高杉・・・・お前だろィ」
睨む様に、高杉をみる。

高杉は、また子を見た
また子は、ハッと口を押さえ、高杉はもう遅えとまた子を見る。

「はぁあああああ」
と長いため息を漏らしたのは、高杉である

「てか、とりあえず、沖田が大学に来ることは予想外。そして口の軽いお前がいた所に来たのが、又予想外だ」 
 高杉は、また子を軽く睨む

「ゴメンッス」  
あわわわと、また子はあわてる

「全く、状況が飲めねぇでさぁ。オイ高杉。分かりやすい様に説明しやがれ」
先程の黒く纏うオーラを消し、高杉に再度睨んだ

高杉は、お手上げと手を挙げた


……To Be Continued…

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