act 3

「神楽ちゃん。もう子供じゃないんだから、そんな格好しちゃ駄目だよ!」
「全くだ!オレァ帰ったとき、3Pでも ごふぁぁ!!」
「最低アルな、お前・・」

沖田と連が帰ったあと、神楽は二人にこってりと絞られていた。理由があるが、それでもおかしいだろうと。
神楽の鉄拳が銀時に見事ヒットする。銀時は、のた打ち回る。新八はそんな様子を見ながら、ため息をつき、こんな危機感のない不陰気の中で育つから、ああなるのかと、少し生活を見直そうかと本当に検討していた。

「んで、依頼は引き受けるのか?」
 頬をすりすりと愛しそうに擦り銀時は聞く
「当たり前アル!簡単ネ!」
神楽は、軽いモノと意気込むが、女はこれで中々ややこしい・・。ましてや、依頼主の連の観察を、あの短時間で軽くしたが、神楽に好意があるのはすぐに読み取れた。そして、それを般若の如くにらむ沖田の目。
そんなに簡単に終われねぇかも・・と銀時は顔をしかめた。しかし今の神楽に何を言っても無駄だろうし、しつこくして更に強いパンチングを受けたら、次こそは自分の顔が確実に変形するだろうと思いやめる事にした


「総悟・・総悟!!ってオイ総悟ォォ!!テメッ無視すんじゃねェよ!」
「何ですかィ土方さん。俺ぁ今ムシの居所が悪いんでさぁ」

何回目かの土方の呼びに気が付き、舌を鳴らす。ムカムカと気持ちが治まらない。万事屋から出て、山崎と連を送り届けた。連は、探るような瞳で、沖田を見続けた。それが妙に癇癪にさわる。が、一応警察の義務があるので、上面の笑顔を向け、屯所に戻る。イライラは募り、理由も分かっている。主にヤキモチ、嫉妬の類。自分と話すときは、顔をしかめコレでもかとガンを垂れてくる神楽。その一方、連に話すときは、これ以上ないくらいの笑顔、優しさ。お客だと分かっている。商売だと。しかし心ではやっぱり悔しかった

「オメーのムシの居所がイイ時を逆に俺は知りてぇよ」
そりゃそーだ。相手がこの土方である場合、いかなる時も、不機嫌になるだろう。沖田は鼻で笑い、スタスタと部屋に入る。依頼を受けると言っていた。それは、紛い物であろうが何だろうが、恋人になると言う事。
考えるだけで、嫉妬でおかしくなりそうだ。いっそ寝てしまえばモヤモヤが消えるだろうかと、アイマスクで目を隠し、消えない妄想で苦しんだ。


あれから三日ほどたった日。天気も快晴の中。二人は歩いていた
「ストーカーなのか、その娘は?」
「あっ。イエ、そういう訳では。ただ、普通に家には来たりはします。両親の手前邪険にも出来ず・・。」
「家に・・?それって十分ストーカーだと思うアル」
「そ、そうなんですか?!ただ、本当に困ってますね。一緒に何処に行こうとか、向こうからキスを・・その・・ねだって来たり・・。」
「マジでカ!スゲーなオイ。でも、私どうしたらイイアルか〜?銀ちゃん教えてくれなったネ」
「あ、あの普通に付き合ってるみたいに過ごしていれば、そのうち諦めが付くんじゃないでしょうか?」

ふーんと神楽はつぶやいた。自分は付き合った事がない。付き合うと言う事は一体どう言う事なんだろうかと考える。一方連は、この日を待ちわびて居た。あの日から考えるのは神楽の事ばかり。これがまさに一目惚れというやつかと思っていた。万事屋に神楽を呼びに言った。ドキドキして、ドアから神楽が出てくると、バクバクと音がなった。今日の神楽は服をちゃんと聞いていた。しかも依頼と言う事で、ちゃんと周りからも普通に見れるように、Tシャツとミニスカートだった。デートしてても、何ら不思議じゃない服。スカートから流れるような足が、この間とは違った魅力を醸し出す。

「うーん。私デートなんてした事ないから、これからどうすればいいか、全然分からないアル。連が行きたいとこに連れて行けばイイアル」 

連は、心臓が飛び上がる。何処でも連れて行く。コレが依頼だと言う事を忘れ、遊園地などに連れていって楽しみたいと思った。それと同時に、神楽がデートの経験がないと言う事を嬉しく思う。自分が初めてなのだ。心は躍る。
「じゃあ、何処かでご飯食べる??」
神楽の顔はパァっと輝く
「行く!!いくアル!」 
連の袖を掴み、ツンツンと引っ張る。連はそんな行動がたまらなく可愛いと思う。顔を赤らめ、優しい眼差しで神楽を見る。神楽は手をとり、早く行こうと引っ張った。

連は、神楽のおいしそうに食べる姿に、つい見いってしまう

「普通なら、引くアル」 
そう神楽が言ったのは、食べる量の事だ。いつもよりは大分減らしていたが、それでも
3人前を食べていた。それを見て、連は引くことすらせず、ただおいしそうに食べる姿を微笑んでいた
食事を済まして、ダラダラと歩く。特に何をするわけでもなく。ふと、一人の女の子が後ろから付いて来るのに神楽は気付いた。すると、神楽はスッと連に寄り添い、腕を絡めた。驚いたのは、娘よりも連であった。いきなり神楽が寄り添い、自分の腕に絡まってきたのだ。嫌でも期待した。しかしすぐにそれは、仕事だと分かった。

「連さん。その方は何方ですの?」 
その娘は、神楽より少し年上っぽく、綺麗な顔立ちをしていて、守ってあげたくなる様な成りをしていた。
「連は、お前じゃなくて、私と付き合ってるアル。」 
神楽が言うと、娘はとても傷ついた様な目をした
「では、連さんは二股を・・」
「もともと私一人アルよ。ネ、連・・・」 
お芝居だと分かっている。それでも、横で腕を絡ます神楽がまるで自分に本当に言ったみたいで、ドクドクと音が鳴った。神楽の方が身長が低いため、嫌でも、連に上目使いになってしまう。その目に、口に、・・目が離せなくなる。
「連・・・?」 
神楽が何も言わない連をおかしく思い、再度呼びかける
「あ、あぁ。そうなんだ。ごめん。神楽・・・さんと付き合ってて・・」 
言ってて、コレは嘘だと思っていても、嬉しく、顔は緩む。
「そ、そんな・・・」 
わなわなと泣き出す姿を神楽は、バツが悪そうに見て、そのまま去っていく娘の後姿を見送った。

……To Be Continued…

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