act 2

ビッショリになった自分の服・・・・後悔しても、もう遅い・・

リビングには、沖田がいる。そして服を着てない自分・・。脱衣所で神楽は立ち往生している。服を着ればいい?ううん。だって服はさっきの分が最後。銀時が溜めた洗濯物を、何回も何回も洗って、さきほどヤットの事で洗い終わった。どうしよう・・神楽は考える。そこで目に付いたのは、一枚のタウルケット★そういえばコレもついでに洗ってしまおうと洗濯場に置いていたのを思い出した。クルクルと自分にまきつける。しかし、どう巻きつけても、ブラの紐が見えるので、そこをプチッと外した。部屋には、沖田がいる。どんな状態で出て行くんだと自分に突っ込みをいれ。そーと脱衣場をでる。

「オーイ。沖田。居るのアルカ?」   
「なんでィ」 
返事をしながら、神楽の所に来そうな気配・・。
「ちょ、ちょっと待つヨロシ。ってか、今日はもう帰るネ」 
こんな姿、冗談じゃないと沖田を帰らそうとする。
「ハッ?」
意味が分からないと、神楽の側に、さらに近づく気配・・
「だから!!来るナっていってるダロ!」
それを無視して、沖田は神楽の側に来ようとする。沖田が神楽の格好を目撃するまで、3秒!!

ピンポーン。
本日二人目の来客。神楽は何でコンナ時に!!とイライラと返事をする
「今、取り込み中ネ!!後にするヨロシ」
ドアの向こうで、若い男の声が聞こえた
「スイマセンでした。約束の時間に来たつもりでしたが・・又来ます」
約束の時間・・そう聞いて神楽はハッとし、沖田の事は又忘れ、急いで玄関に走る。
「ご、御免アル!!中へどうぞ・・・」 
その青年は、神楽より年上で、丁度、沖田と似たり寄ったりの年齢に見えた。顔は整っており、それでいて、シンの通った様な眼差しをしている。しかし、その青年は、約束を、忘れられていた事より、今、目の前の神楽の格好に驚いた

髪は濡れ、まだ、少し水滴が、ポタポタと肩に落ち、体はと言えば、腕と肩を露にし、薄いピンクのタオルケットに身を包んだ女の子。簡単に目を奪われた。急いだため、タオルケットの間から、スラッとした、白い神楽の足が太股からばっちり出ている。喉を鳴らしても、何らおかしくない格好。

目を奪われたのは、何も、目の前の青年だけではなかった。今しがた、自分に帰れと連発する女が、急に玄関に走っていく。そして、その格好を見て、すぐには声が出なかった。
「テメーどんな格好してやがんでィ!!」  
空気が止まっている中で、裂いたのは、沖田の声、神楽は
「おぉ!!」
と声をだし、スイマセンヨと謝る。青年も、
「い、イエ・・」
と自分より年下の女の子に真っ赤にする顔。
平然と、神楽は、その男を家に招き入れる。
「お、オメー何してんでさぁ」   
「何がカ?」  
「どんな格好で接客してるんでィ」
多少沖田の顔も赤い。そういえば説明をするのを忘れていたと、神楽は思う。
新たに来た青年を含め、説明をする。  
「という訳で、こんな格好で御免ネ」 
青年は、顔を赤くし、全然・・と手を振る。しかし、その状態を、物凄く不機嫌な沖田は睨んでいる。

「オメー帰レヨ。もう用ナイダロ?」 
神楽は、シッシと手で沖田を追いやるが、冗談じゃねぇと沖田は帰らない
帰らない沖田に、神楽はムカつく顔をしながら相手にしないよと無視を決めた

「今回の依頼を教えてアル」
「あ、ハイ。あの、一人の女の子が居まして。その子が好いてくれてるんですが、僕にはその気持ちに応える事が出来ないと、もう何回も言ってるんですが、全然聞く耳持ってくれなくて・・彼女の中でどんどん僕との話が膨れ上がってるみたいで・・もう、彼女の中では、付き合ってる設定になってまして・・困ってしまって・・。」
「コワ・・!!メッサ恐いアル!!どんな女ネ」
「可愛らしい女の子なんですが・・。僕のタイプとは違ってまして・・」
「それで・・彼女が出来れば諦めるかと・・」
「ふんふん、私が彼女の代わりをして、諦めさせてあげればイイアルカ?」


青年は、顔を輝かせた。依頼を引き受けてくれる。それも確かにあった。しかし、昨日、電話に出たのは、若い丁寧な物いいの男だった。正直、女が居るかどうかなんて考えてなかったし、マシてこんな展開になるとは思っていなかった。自分が困ってる女の子。好いてくれてる女の子、それでも自分の心は動かなかった。しかしまだ会って間もない神楽に、青年の心臓は高鳴っていた。この気持ちはなんだろう。自分と正面向き合って座る女の子。まだ年は、17.8だろうと思う。タオルケットの印象が強いだけではなかった。白く細い肩。くっきりとした綺麗な鎖骨。綺麗な腕と手のライン。大きな葵瞳。小さめの口。少し、いやかなり気は強そうだと、沖田とのやり取りを見てそう思う。自分をキチンと持っている、どっちかといううと、気の強いタイプが好きな青年のド真ん中のストライクだった。

不機嫌なオーラで部屋を侵食していくのは、神楽と同じソファーで座っている沖田のものであった。話を聞いていて、どんどんオーラが濃くなる。青年もそれに気付く
「あ、あのコチラノ方は・・?付き合ってるなら、こんな事して頂く事には・・」
「あぁ。全然関係ないアル。ただの人。飾りだから気にしなくてイイネ。」 

さらっと言い捨てる神楽に、更に顔をピクピクさせる。しかし、反対の青年は、実は喜んでいた。少し探りを質問のなかに入れたのだ。神楽の横に居る。何か特別な関係でないかと・・自分もそんな不細工な面はしてないとは思うが、目の前のこの男は次元が違うと、同じ男なのに思う。年は同じくらいか・・そう沖田の方に視線を送る

「何ジロジロ見てやがんでィ」
視線に今気付いたのか・・もしくは最初から気付いていたのか。沖田は青年を睨む・・。   
「お前・・何言ってるネ。大事なお客さんアル!」
神楽が青年をかばう事で、二人の表情は二つに割れる。天と地ほどに差をつけて・・。
「この依頼受けるアル」 
ニッコリと自分に微笑む神楽。胸が熱くなるのを感じる
不機嫌オーラマックスの沖田。 
「オメー帰れよ。要らないネ。邪魔!!」
コレでもかと、酷い言葉を投げつけてくる神楽。
「嫌でさぁ。俺に指図すんじゃねぇ。」 
「ああん!!ヤルかテメー!!」
綺麗な顔で、怒鳴りつける神楽。ギャップが可愛い。裏で何を考えてるか分からない女より、ストレートで全然イイと思う青年。
思うに、この真向かいの男も、自分と同じようにこの女の子に好意を持っているのは分かる。少し有利に立っている自分が嬉しいと感じる。

「てか、いつまでもこんな格好でいるんじゃねぇや」 
「仕方ないダロ!」 
「何か着るとかしなせぇ!」

「只今〜〜神楽ちゃん!!」
「依頼人きたかぁ?」
沖田と、言い合いをしてる神楽、今しがた帰ってきた新八と、銀時。ちょうど人数がそろった時だった
銀ちゃん!!と神楽は銀時の元へ行こうとする。それを止めようと沖田が出した手は、本当は肩を掴む予定だったが、神楽が動いた事でての位置が変わり、タオルケットを引っ張った。
「「「「「えっっっ!!??」」」」」
全員が言葉を発したのは、神楽のタオルケットが、沖田の手にぶら下がった後だった

「キャーーーーーー」
神楽は、沖田を引っ叩き、タオルを、再度自分に巻きつける
「な、何するねお前!」
神楽は顔を真っ赤にして、沖田に怒りをぶつける

しかし、男たちは放心状態だった。新八、銀時は、タオルケットが落ちた神楽・・にも驚いたが、なぜ神楽はタオルケットなんかを巻きつけて居るのか?と言う疑問が強かった。青年は、今しがた起きた状態に混乱している。それでも、先ほどの神楽の体は目に焼きついてる。綺麗な体のライン。クビレの付いたウエスト。手に余りそうな胸。ふつふつと興奮する。そして、元凶を作った沖田。物の見事に神楽の平手打ちを食らって、ソファーから吹っ飛ばされた。しかし、この沖田もまた、神楽の姿にくぎづけになっていた。引っ叩かれた頬がジンジンと痛むが、神楽から目は離せない
「す、スマネェ」
一番見せたくないものを、自分から見せるようにしてしまった


「神楽ちゃん!!どうしてそんな格好なの?」 
新八が割り込んでくる
本日何回目かの説明を神楽はして、新八と銀時は肩を落とす
「そんな格好で・・」   
「仕方なかったネ。依頼主が来るから対応しとけって、銀ちゃんがいったアル!」
「そんな格好でするとは思わねぇよ!!」 
むぅぅと神楽はホッペを膨らまし怒る

「ちょ、大丈夫ですか!」
新八の方を見ると、先ほどの青年が、よほど神楽に興奮したのか、上を向き、鼻を押さえている
「大丈夫カ??」 
すぐさま神楽は側へいく。
「神楽ちゃん、そんな格好で側によったら、逆効果だと思います」
と新八は言う。
「だって、コノ人死にそーアル!」  
「だから、その原因はおめーだよ。」 新八は怒る

「大丈夫です。僕帰ります。」 
青年はゆっくり立ち上がる
「まだ、ここで休んで行くアル」
 
沖田は、鼻血をだした青年の気持ちが分からなくもなかった。しかし、その気持ちは、すぐに嫉妬に変わる事になる
ゆっくりと、玄関まで歩いていく青年を、神楽は心配そうに後を付いて行く。しかし、青年は思ったより血の量が多かったらしく、がくっと体を落とした。それにビックリした神楽が、その体を素早く支える。タオルケット一枚しかまとっていない神楽の体は、ピッタリと青年に密着する。それには沖田も爆発させた

「テメーいい加減にしろや」
「何がアル!支えるのは当然の事アル」 
ひるむ事ない神楽を大人しくさすため、沖田は携帯をとりだし、山崎を車ごと呼びつけた。その車に青年を乗らす。「ちょっと待つアル。お前名前は?」
ドアを閉めようとする沖田の手をどけ、聞く。  
「連です(レン)」 
相変わらず、上を向きながら青年は言う
「連か・・宜しくナ。連!!」
 ニッコリと神楽は微笑み。車を後にした…。


……To Be Continued…

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