act 1

ピンポーン  ピンポーン。ピンポンピンポンピンポンピン

「あ〜!うるさいアル。少しは待てないアルカ?!」

涼しい秋空、夕暮れ近く、俺は、特に用も無いけれど、万事屋に足を向けて、ピンポンダッシュの如く、押しまくった。中々出てこないので、イライラしてたのだと思う。やっと出てきたと思ったら、桃色頭に、真っ赤な頬。頭からはまだ湯気が出ている。今の今まで風呂に入っており、来客が来て、ほって置こうとしたが、あまりに何回も押すので、急いで出て、服を着、出てきた神楽であった


まさか、最初から、神楽が出てくるだろうとは思って無かった様で、何も用事は無いまま来たのに、更に追い討ちをかけるように、返す言葉が出てこず、口ごもった沖田だった。しかし、口ごもったのは、何もそれだけの所為ではない。湯上りの神楽は、化粧も何もしてなくても、何かぐっと来るものがあった。

「オイ。何か用があったんだろ?早く話すアル」
「別に・・用はねぇ」
「ああん!!!テメーおちょくってんのか?・てかおちょくってんダロ??メッサむかつくネ」
湯気の蒸気と、怒りの蒸気でしゅーしゅーと音を立てる
ドアをバタン!!と締められ、突っ立て居る自分が、妙に情けないような、惨めなような・・・・。なんでこんな奴に俺は・・・とため息を付く。総悟は、神楽に惚れていた。14歳の頃に神楽と会い、毎日の様に喧嘩して、当たり前のように戦って、傷をつけて・・。いつからかは忘れた。なんで好きになったかも忘れた。ただ、今丁度17歳の神楽は、少女と大人の線の丁度中間に居る。所々体は膨らんできて、締まるとこは締まって行った。

思春期の女。色っぽくと言うには、まだ早かったが、総悟の心臓をドキドキと音を立てるのには十分だった

何やってんだかとため息をはき、トントンと階段を下りていく

「ギャーーー!!ヘルスミーー」
今しがたドアを閉められた向こう側で、神楽が色気の無い声を出している
降りていた階段をもう一度上がり、ドアを開ける
「どうしたんで・・」
「ヘルスミー!!」  
神楽は沖田に抱きついて、更に後ろに隠れる。
「ゴキ・・ゴキ・・ゴキブリ!!」目で見ないようにして、手で場所を知らせる。
パニックになった神楽をみて、ちょっとしたイタズラ心が沸き起こる
「やーなこったぁ。テメーで何とかしやがれィ」 ニヤリと笑う
「な、な、何でアル。倒してくれてもイイアル!!」 
神楽は、沖田の腕をもって、ブンブンと振りまくる
「何のメリットが俺にあんでィ」
「め、メリットォォ。そんなモン無くても、これくらい助けるネ!!」
「じゃあ、俺の言う事何でもきくかィ」
「き、聞くアル。だからアイツを早く倒すアル!!」
その言葉、絶対忘れんじゃねーぞとニヤっと笑い、神楽に言い、新聞紙を丸める
「何で、こんなモンがこわいのかねィ」
ヤレヤレと思いながら、かがんで、新聞紙で標的を狙う
ブーン!!
「オワッ!!」 
あと寸での所で、ゴキブリは、ハネを広げ、沖田に突進してきた。コレには沖田もビックリして体を避ける。そして、避けた後、あるのは沖田の後ろに隠れていた神楽であった。
「ギャ〜〜〜〜〜!!!」
這ってるだけでも気持ち悪い物体が、ハネを広げ自分の方へ、その口に出すのもおぞましい物体が飛んでくる。神楽は大パニックになり、部屋の中を逃げ続ける。
「おもしれ〜〜。」
しゃがんでいた沖田は、パニックになる神楽の逃げまわる姿が面白く、床に座ったままその状態を見学する。相変わらず、その口に出すのもおぞましい物体は、神楽を追い続ける。
「ギャーーーーーー!!」
叫びながら逃げ回る神楽に、更なる悲劇が襲う

ーーーーーポスーーーーー

その物体は、ものの見事に神楽のチャイナ服の中に入ってしまった。それは、さっき、突然の訪問者で、ジッパーを、半分から少し上くらいまでしか上げてなかったためであった。
「ウッギャ〜〜〜〜〜!!!!」
先ほどより、2オクターブくらい高いのではないかと思えるような感高い声で叫び、服をバサバサと揺らす
思い切り揺らすチャイナスカートからは、色の白い太股がはっきり見えた。
「いい眺めだねィ。大サービスでさぁ・・」
自分からバッサバサと服を振り上げ、惜しげもなく、太股から上をあらわにする。
「イイ下着つけてんじゃねーかィ」 
沖田は、見学を楽しむ。神楽は沖田がすでに見えていない。いくらふりまわしても落ちてこない物体。背中上部の服の所から、妙な感触が伝わる。
「いや〜〜〜!!」
ますますパニックになり、ついには泣き出すしまつ。さすがに見学にも無理があると、沖田が立った瞬間だった。神楽は、限界にきて、チャイナ服のジッパーを下ろし、脱いでしまう。
「エッ!!」
沖田の目はまん丸になる。
「ヤ〜〜〜〜」 
神楽は泣きながら下着姿になり、バサバサと振る。それでも服からはアイツは出てこない。
もしや自分の体に?!。何をしてるのか自分でもおそらく分かっていない。泣きながら脱衣所を抜け、今しがた自分が入っていた湯船の中に、ボッチャンと、チャイナ服を沈め、グルグルと混ぜる。すると、観念したように死んでいるアイツがプカーンと出てきた。
そうして、神楽は我に返ることが出来た。自分が泣いていた事も今知る。そして、自分が下着姿なのも今知る。そしてココに沖田が居る事にも・・・今気付いた神楽だった。

……To Be Continued…

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