act 11

「え〜と、クラス対抗ライブを、見事勝ち取った、この4人に、何かご褒美を考えたいと思います!!」

ひときわ大きな声を張り上げたのは、お妙だった。少しでも神楽たちの視線をコチラに反らそうと気を利かせたのだった。皆はお妙の声に賛同し、次々に案を出す

「一週間課題なし!」
「欠席してもOK!]
「購買のパン食べ放題!」
「土方君とデートできる!」
「え、じゃあ私は高杉君がいい!!」
「私は、沖田君がいい!!」
「私は近藤さんがいいなぁ」
「てかそれって、全然ご褒美じゃなくね?むしろお前らのご褒美になってんじゃねーか!」

次々に出される案。そこに手を勢いよくハイ!!と出したのは近藤だった

「お妙さんからのキスがいいです!!」

ええ〜〜と体育館は反響する。当の妙も、さすがに恥ずかしそうにしており、さすがにそれはと言うが、近藤は、頑張った自分に、これ以上のご褒美はないと言い張る。とうとうお妙は折れた。うきうきしながら近藤はお妙の近くにきた。近藤は皆に良く見える様に低い壇上に上がる。お耐えは恥ずかしそうに、近藤のホッペにちゅっとキスをした。体育館は女の子の声と、興奮する男の声がいりまじり、凄まじい騒音になる。その声の中で、一人だけ
「姉上はやりませんよ〜!!」と鼻がかった弟の声が聞こえたような・・。

近藤は、土方を呼ぶ。当たり前だが土方はその場を動かない。お妙もミツバを壇上に上がらせた。相変わらず土方は照れてるようで全く動こうとはしなかった。もはや皆テンションがあがり、土方を凝視して、いつ壇上にあがるかワクワクしながら見ている。お妙えは、自分も恥ずかしい目に合ったんだからと、絶対土方を上がらそうと考える。そこで何かを思いつき、ミツバの横にたって叫んだ

「ミツバちゃんと、ホッペにちゅーしたい人〜。ジャンケンよ〜!!私が許す!!」

オイィィィと言う土方の声を無視して、最初はグーとお妙は始め出す。これはと土方は急いで壇上にあがった。息も切れミツバの前に立った所でフリーズした。真っ赤になる顔。優しくミツバは微笑み、土方のホッペに手をそえ、ちゅっとキスをした。どんどんテンションの上がる体育館。固まったままの土方を近藤は、荷物を抱えるように、よっこらせと担いで下に下ろす。

「次は、高杉。あれ?高杉は?」
近藤の視線は高杉を探すが見つからない
先程の二人から、早急に自分の危機を感じ取った高杉は逃げていた

「はいは〜い。晋介さまはココにいるっス!!」

さすがまた子と言うべきか、瞬時に高杉の考えに気が付き、逃げてるところを引っ捕まえ、連れてきた

「晋介さま、皆やったんだから、覚悟決めて、私とちゅーするッス!!」
「冗談じゃねぇ。俺ぁ、帰る!!」
もみ合いになりながら、そこに近藤と、フリーズが解けた土方が、
「テメーも恥かきやがれぇぇ!!」
と、加勢する。ズルズルと高杉は壇上の上に上がらされた。また子は、ひたすらちゅー!!とするが、高杉はまた子の
ホッペを遠くに押しやり、避難する。するとまた子は、手を振るわせ、その場にしゃがみこんで、嗚咽を出しだした

「っ・・晋介さま・・そんなに嫌いなんスカ・・・ヒック・・私・・彼女なの・・に・・」
また子は、自身の顔を両手で多い、座り込んで嗚咽をだす
それを見た生徒たちは、あまりにも可哀想だと、口々に声を出し始めた

「先輩!来島先輩の事、嫌いなんですか?!」
「キス位してやれよ!かわいそうじゃねーか」
「またちゃん、かわいそ〜!!」
生徒たちは、次々にまた子をかばった

「高杉。お前男だろ!!」
「さっさとしてやれよ。泣かすなんてサイテーだぞ、お前」
土方と近藤さえ、高杉に非難を送った。

「お、俺だってこんなトコじゃなきゃなぁ。てか来島も泣くな」
「晋介様・・私の事・・・好き??」

突然切り出した、また子の問いに、は??と高杉は聞き返したくなるが、確かに自分の耳には質問は届いてた
周りを見渡すと、自分の答えを今か今かと待っている生徒の数
なんでこんな所で・・とも思うが、目の前の彼女はしゃがみこんで泣いている
ため息を付き、言葉を発する

「・・・じゃなきゃ、お前みたいなうるせぇ奴と一緒に居ないだろ」

一瞬沈黙が流れた後、また子は、更に、頭を疑うような事を言い出した
「っ・・言葉が・・聞きたい・・ッス」

高杉は、正直、馬鹿じゃねぇの?と気が遠くなりそうな気分だった
何が悲しくて、こんな大勢の前で、そんな羞恥を晒さなければならないのかと
しかし、自分とまた子の事を、目の前の観客は、まるで物語の行く末を見てるように釘付けになっている
館内の視線は、全て自分とまた子に注がれた。
何か自分が言わないとコレは終わらない。しかしこの中で告白まがいの言葉を言うなんて、高杉の性格上無理に等しかった。それは十分また子も分かっているはず。己の彼氏が甘い言葉を吐くような人物ではない事を・・・
それでも聞いてくるのは、それだけまた子は切羽詰っているのか・・。また子の中に不安と言う文字があるのか・・
頭の中で、ぐるぐると高杉は考え、観念したように、言葉を吐いた


「あ〜〜。オメの事がすきだよ!!コレで満足か!?」

後ろ髪をガシガシと掻く。よほど恥ずかしかったらしい。最初からホッペにキスをする方が、かなり楽だったと思う。
沖田と同じポーカーフェイスは、壇上の上で見事崩れた。
そんな高杉の首にすらっと伸びてきた細い手。それは自分の彼女の手だった

「私も晋介様の事、大好きッス〜〜〜〜!!」

しゃがんでいたまた子は、勢いよく立ち上がり、見事高杉のホッペにちゅっとキスをした。
さっきまでのは、全て演技であり、涙など、一滴も流れてなかった。高杉は、相当驚いたらしいが、既に遅かった。
また子の腕は、高杉の首に巻きつけられ、一向に離れない。勝ち誇った表情で、満面の笑みをまた子は浮かべた。
それを見た高杉も、観念したように、もう一度、自分からまた子のホッペにキスをした。普段高杉からのキスなどされる事のないまた子は、とても可愛らしく真っ赤に染まった顔をした。

 
「さて、残り一組ィィィ。沖田君!!」

お妙は叫ぶが、見当たらない。近藤、土方、高杉にくれば自分だと、誰だって気付く。そうなる前に逃げる事は、誰の目から見てもあきらかだった

……To Be Continued…

作品TOPに戻る

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -