act 10

ガヤガヤと騒がしい。声と声が広さで反響する。文化祭の打ち上げ、時間は夕方6時を過ぎろうとしていた
広い体育館の中では、人が後夜際を楽しむ。3Zの打ち上げ。理事長からのカンパもあり、盛大に行われていた
ジュースやお菓子を広げられ、いくつもの台がせわしく並ぶ。窓から見えるのは、夕暮れの明り。
顔なじみが並ぶ・・・はずの打ち上げは、あれよあれよと言う間に、他クラスからの同級生で溢れた。それぞれ
手土産持参で入ってくる。友達の友達。更には後輩までつてを使い何時の間にか馴染んでいた。
気がついたときには、体育館は大勢の人で溢れかえり、どのクラスの打ち上げかも分からなくなっていた

「神楽ちゃん、沖田君は何処にいるの?」
「あそこアル」

神楽が指を差す先には、大勢の女の子に囲まれた沖田がいた。
沖田は基本他の女に興味はない。先ほどまで神楽にくっ付いていた。しかし、近藤が後輩に慕われ、それ経由で呼ばれては
沖田も同じるしかなかった。今よとばかり女の子達は群がり、ホンの10分の間に群れが出来たのだった。

「伸介様に近づけないッス」
「女の子の大群って、以外に怖いわぁ」

それはまた子、ミツバも同じらしかった。女の子に埋もれ、もがいている様が良く見える
いささか混じって悲鳴さえ聞こえた。主に土方の。ハッキリ言ってつまらない。せっかくの後夜際をまたもや取り残される。文化祭では、それぞれ目当ての人物と合流出来たらしく、腕を絡ませくっ付いて居る事で、他の女も声はかけなかったと言う。神楽と同じように一番最後にはお化け屋敷を時間差で楽しむことが出来、有意義な時間を過ごせた。

「神楽ぁ、俺そろそろ帰ってもよくナイ?」
一位獲得した担任の銀八は、お目付け役と言う事で、監視含めて体育館にいた
「駄目アル!まだまだネ」

だり〜んだよ!と憤怒し、手に余るお菓子を持って、銀八はイスに座った。
「神楽ぁ、総一郎くん、女の子に囲まれてんだけどぉ」
「あ、あんなやつ居なくていいアル!」
「ふ〜ん。へ〜。そ〜?」
「ナ,何アル!ニヤニヤするなよマダオ!」
よしよしと、銀八は神楽の頭を撫でた。

「沖田が、今すぐ戻ってくるようにしてやろうか?」
「は?どうやってアル」
言葉が終わらない内に、銀八は、ふわっと神楽の体を軽く自分より高く持ち上げた。

「ななな!早く降ろすアル!!」
足をばたつかせ、体を下ろせと捩る。体育館中の視線は神楽と銀八に注がれる
銀八は、バタつく足を自分の腕で巻き込み、抱き上げた。銀八の手は、丁度神楽の尻の下に置かれ、其処に座る形と
なっている神楽は、肩をドンドンと叩き、下ろせぇ〜と騒ぐ。そんな神楽を無視し、まるで挑発ヲするように沖田の方へと視線を流す。にやっと笑う銀八に、掴みかかりそうな勢いで沖田がやってくる。

「おいおい総一郎くん、瞳孔が開いてるぜ」

神楽をよっと下ろす。神楽は不安定にヨタヨタとなるが、そのまま抱えるように、今度は沖田が神楽を抱きしめた。
沖田の体にすっぽりと隠れた神楽は、息が出来ないくらいに抱きしめられ、又もや、沖田の胸をドンドンと叩いた。
しかし沖田は一向に力を緩めない。ひたすら銀八を鋭く見つめたままだった
息が出来なくて、暴れて、やっとの事で神楽は沖田の胸からぷはっと顔をだした。
一連の行動を、そこに居た生徒は呆気に取られて見入っていた。教師の銀八が神楽を抱きしめ、それに突っかかる沖田が神楽を取り返し、強烈な抱擁。自分もされてみたい・・との願望と、神楽のうらやましさで体育館が騒然とした

「そんなに大切なら、はなっから離すなよ。こいつのやきもちが煩くて、俺ぁたまんねぇよ」

くわっと空いた神楽の口を横目に、帰るわとさっさと体育館から銀時は退散した
まさに、一本取られた。ワザと自分を焚き付けた。沖田は微妙な表情をする、結局銀八の方が何枚も上だと言う事だ
お互いに気まずい雰囲気・・。無我夢中で神楽を取り返し、自分の胸に捕まえたが、急に恥ずかしくなる、神楽は瞳を
落ち着きのない様にキョロキョロと移す。一方沖田も、抱きしめ力を入れている腕をどうしたものかと考える。離したくはないが、恥ずかしいと言う思いはある。他クラスの同級生。後輩。皆の視線は間違いなく二人に注がれた。


……To Be Continued…

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