act 6

対抗ライブはコレで万全だと、神楽は喜ぶ。すると、舞台下のギャラリーからは、低いテンションが漂い始め
散らばっていった。沖田も、仕方ないと承諾する。が、今までやってきた分、歌は新八でいくと言う方向になる。
そしてそれは、高杉らも同じ気持ちだった。しかし、新八は余計に反対する
「駄目です。僕が歌ったより、沖田さん等が歌ったほうが絶対良いです!!」
「今まで歌ったのに、もったいないだろィ」
「新八君。俺らは、どんな歌であれ、このメンバーなら、楽しく出来ると思うぞ」
沖田、近藤はもっともらしいことを言ってくれる。これはコレで、今までの言葉に比べると、思わず涙が出るほど、新八は嬉しかった。そして、それ以上に喜んでいたのは神楽だった。本当に、本当に楽しく出来る面子が揃ったのだ。これ以上に勝てる面子が果たしているだろうかと思う。
「新八!!。楽しめれば、それでイイアル!!」
太陽の様な笑顔で神楽は言う。それに続き、妙、ミツバ、また子も、笑顔で笑う。
「でも、僕じゃ勝てませんよ・・・」
「なんでそんなに勝ち負けにこだわるんだぁ」
「確かにな、いいんじゃねーのか?一番じゃなくても」
一番にこだわり続ける新八に、土方と、高杉は、そんなにこだわらなくてもいいんじゃないいかと言う
「でも、負けたら・・・一日メイド・・・」
「「「「ハッ???」」」」
一気に声を揃えた4人。神楽は、それでも気にする様子も、慌てる様子も無い
「あんなの、別に気にしてないアル。変な事したら、今度こそ噛み付くネ」
平然とする神楽を放って、沖田は新八に詰め寄る
「メイドたぁ、何の事ですかィ?」
「4クラスで、対抗ライブをして、うちのクラスが負けたら一日限定で、他クラスの専属メイドになるんです。うちのクラスが勝てば、この後のお祭りのお金を一切無料で楽しめるように、もう賭けちゃって」
「テメェェェ、勝手にしてんじゃねぇよ!」土方が般若の如く掴み、近藤は何してくれてんのォォと泣いている
「ぼ、僕じゃありません!!」
そう言うと、新八は、4人の女の子の方を見た
「他クラスに、ろくでもないクラスだって馬鹿にされて、神楽ちゃんがブチ切れて、喧嘩を買っちゃって、姉上が他クラスの男子殴って気絶させて、出された賭けの条件また子さんが飲んで、ミツバさんが承諾のサインを押したんです。止める僕の制止を振り切って・・・。」
唖然となる。なんと根本的な原因はこいつ等だったのかと・・・。じとーと睨む。睨まれて、から笑いし、目を逸らし、ニコニコと微笑む

「「「「馬鹿かテメェェェェェら〜〜!!!!!!」」」」
ヒョ!!!と顔をビクつかせる。ヘヘヘと笑う女たちを、相変わらず睨み。これは絶対に負けるわけにはいかねぇと頭を回転させる。確実に勝てる方向で行かなければいかない。必然的に、新八を外し、勝負に行かなければならない。やっと新八は安堵の顔になる。多分、これなら勝てる・・・。



一曲目を、高杉が。二曲目を土方がバラードで。三曲目を沖田が、洋楽を・・・。
通しで聞いてみると、正直、これは貰ったと誰もが思う。邦楽、洋楽、バラード。全てがそれぞれにマッチしている。心に響くような土方のハスキーボイス。テンポ良い高杉の曲。聞いたことも無い曲だけれど、何故か心に響く沖田の洋楽。確かに女の子が群がるはずだと感心する。
ぎこちなかったそれぞれの距離は一気にちじまる。お化け屋敷と交差して、どんどん文化祭の準備は急速に早まった。嘘みたいに楽しい準備。神楽達は、歌声を聞くたび、それが誇らしく、格好よく、気持ちが高ぶる。自然と、見つめる顔に赤みが指す。練習の合間に、お化け屋敷の手伝いもするようにした。重いものは成るべく持って、双方に笑い声が響く。合間に、ギターの弾き方を教わる。自分が弾くと思うように音は出ない。弦に指が届かない。それを意図も簡単に、目の前の男たちは、音を奏でる。弦に指を置く際、教えるために触れる指先が熱い。自分の手の上から触れる手がたまらなくドキドキした。こんな甘い時間、想像してなかった。

時折重なる視線。思わず見つめる、ドキドキと音が鳴り、顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。
ゆっくりと、それは自然に重なる。ちゅっと音がなり、甘い味が口に広がる
場所と時間はそれぞれ違えど、甘い二人の時間は訪れていた
絡まる視線も、重なる唇も、全部自分の物と思う。ギターに触れる手を自分に触れる手だと愛しく思う。
綺麗に奏でる声は、自分を呼ぶ声だと、独占欲のような物が生まれる。それは、女の子だけではなかった。くるくる変わる表情、自分だけに向けられる潤んだ瞳。甘い声、絡んでくる手。誰も触るなと抱きしめた
<スキ>と重なる声。その時間はあっという間に過ぎ、文化祭当日になった。



……To Be Continued…

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