act 4

「いい加減にするアル!!」
体育館に、神楽の声が反響する。3年の生徒は、この騒ぎを聞きつけ、だらだらと体育館に集まって来た
今日の放課後は、3zがライブの練習をする時間だった。もうすぐ本番も近く、通して歌を歌ってみようとやったが、最初の一曲が終わらないうちに、又もや、グチグチと嫌味を言ってきたのは、荒木だった。がたいがよく、おまけに何故かこの3人はナルシストが入っている。若干ギターとドラムが出来るからかも知れない。ニキビ面の顔をニヤニヤとさせ、新八の歌が下手だと。こんなんじゃ、せっかく自分たちが演奏しても、丸つぶれだと言い張った。神楽は、一生懸命やってるからいいだろといつもの用に噛み付いた。
そこに元木と新橋も加わり、自分たちは、お情けで3zを手伝ってるんだと怒鳴った。確かにその通りだった。神楽はぐっと言葉を抑える。お願いしたのは自分だ。何も言いかえさない事を良い事に、さらに3人は絡んだ。
「別に俺たちは、こんな事したくないんだぜ?情けでやってんのに、その態度は何だよ、オイ」
「止めたって良いんだぜ?こんな事」
「でも、そーしたら、3zは棄権だな。ヘヘヘ。お前が謝ってもう一度お願いするなら別だけどな」

荒木を始め、どうしてその面で、ナルシストになれるんだと思う面で、言い返せない神楽を、ケラケラと笑う。
「もういいわ。棄権でいいわよ!!こんな面をしてるアンタ等から、これ以上神楽ちゃんの事言われるのは我慢できない。」
「そうッス!!ココまで言われて黙ってるなんて・・」
「神楽ちゃん。きっとライブなんてしないほうが楽しく出来ると思うわ」
「そうですよ神楽ちゃん。こんなの間違ってると思います。」

お妙は、キレた。次々に、皆も言う。神楽は、わかってる・・わかってるけど、あきらめたくない気持ちが
ウンと頭を振らす事が出来なかった。3分の2は、訳の分からない意地の所為でもある。ここまで耐えてきたのが、全部無駄になる・・・・。そんな事を考えている神楽の顔から、ブチきれているお妙は、ビン底眼鏡をもぎ取った。あっと神楽は意識を戻し、お妙の方を見る。
 
「神楽ちゃんは、ブスじゃないんだよ!!自分の顔見てから言えコラァァァ!!!」
よほど、神楽をブス呼ばわりしたのが、許せなかったのか、無理やり眼鏡をとり、その奥に隠されている、透き通った蒼い瞳を、3z以外の居るこの体育館にお披露目したのだった。
「ウォォォォォ!!超可愛い!!」  
広がるのは、他クラスの男の声。目の前に居る、荒木、元木、新橋もとりあえず呆気にとられる
「ちょ、姉御!返すネ」
「駄目です。これ以上ブスなんて言わせません!!」
断固として、お妙は神楽に眼鏡を返さない。もともと度なんて入ってないし、何より、これ以上反抗しようと
ものなら、今度はお妙を敵に回しそうだと、とりあえずあきらめた


「テメーがこんな面してんだ。ますます賭けが楽しみになってきたぜ」
すっかり賭けの事など忘れていた。しかし、もう遅い
「てか、ますます俺らが、真面目にしないほうが喜ぶんじゃねーの?他のクラスも」

「な!!勝負は真面目にするアル!」
「だって、3zが負けた方が、オイシイジャン。真面目にやる意味何てねーだろ」
その言葉に、ついカッとなった神楽が、荒木を、殴ろうとして、それを荒木がよけようとして、失敗し舞台上で、派手に転んだ。
「イテェ!!」
神楽が、駆け寄ったときには、荒木の利き腕は、少しひねっていたようだった
神楽は、顔から血の気が引くのを感じる。自分でギターが持てないようにしてしまったのだ
とりあえず、新八らも見るが、これじゃできないよと言う。お妙らは、これが良い機会だと、やっぱり
棄権しようと言う。その言葉に、新八、ミツバ、また子も賛成する

「ごめんアル。」 神楽は、荒木に素直に謝る。荒木は、ごめんじゃねーよ!!と神楽に罵声を飛ばすが
神楽はそれを静かに受け止める。そんなに言うこともないでしょうと、側の4人は思うが、あえて口には出さなかった。
「何でもするアル。本当にゴメンアル」
神楽にとって、自分は怪力なので、沖田ならともかく、普通の生徒には、強い力だと言う事は、十分認識していた。それでも、たった今、頭がカットなり殴ろうとしていた。殴っていたなら、吹っ飛んだだろう。
結局、転んだのは荒木自信の所為なんだが、神楽は申し訳ないと言う気持ちが強かった。
それに加え、荒木がこの手なので、ギターを引くなんてどう考えても無理な話だ。自分がメチャクチャにした
どうしよう・・どうしようと神楽は思いつめる。荒木に深々と頭を下げる。悪意はなく、ひたすら謝る。



沖田らが体育館に行ったときには、3年の人だかりが出来ていた。
「悪いと思ってんなら、誠意見せろよ!」
「そーだ。土下座しろよ。俺らに!!」
「そりゃいい。オイ。お前らもだよ!」
気をよくしている荒木らは、神楽に、誠意として、皆の前で土下座をさせようとする
コレには、新八らも怒り、何でそこまでやらなくちゃいけないんですかと突っかかる。それにお妙も
続くが、神楽は、立っている自分の膝を、すっと床につけた
「か、神楽ちゃん。」
「イイアル。私の頭を下げるだけで気の済むなら、こんな頭、いくらでも下げるネ。だから私だけで勘弁スルヨロシ」
「そんな、神楽ちゃんだけに、そんな事させるなんて・・」
神楽の行動に、心をうたれ、ミツバは、床の上に膝をついた
「ちょ、ミツバちゃん」
新八、お妙、また子は止めようとするが、ミツバは、神楽ちゃんの為にあやまるのよと優しく微笑んだ。
神楽のために・・ならば、頭を下げるのも悪いことではないと、3人も続く。

「「「「な!!」」」」
沖田らが見た光景は、知らない、見たこともない奴に膝を付き、舞台の上で、皆の前で土下座をする、5人の姿だった。


……To Be Continued…

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