戦争は終戦し、皆が治療を行っている中、突如シカマルの視線の先の空間がゆがむ。
「親父!!!あそこ!!!」
「!!?」
その中から出てきたのは―――――…、カミコだった。
シカクはその姿を確認すれば真っ先に走り、思い切りカミコを抱きしめる。
震える体が、泣いている事を伝えるように。
「ばっか野郎ッ ………!!!!!!」
「シカクさん ……ごめんなさい ………、」
「戻ってきて くれて …… 有難う ッ ……」
カミコはぎゅ、とシカクの背へ手を伸ばし抱きしめ返す。
そのあと、同じようにシカマルに抱きしめられるカミコは、困ったように笑みを浮かべながら。
ナルト・そして無事に戻ったサスケや皆の力がこの戦争に勝利を与えた。
そして、私が目標としていた事は、この時点で達成されたのだ。
その後、木遁を使えるヤマトが忍界を回りながらゆっくりではあるが修復していき、平和が取り戻された。
亡くなった者を敬い、そして祈りを捧げて。
その後、原作通りカカシが六代目火影へと就任すれば、シカマルがその火影側近補佐へと。
相談役には引き続きシカク、そして綱手が付く。
カミコはというと、火影側近の話を断っていた。
珍しく任務が休みのカミコは、奈良家に泊まりに来ていた時に使っていた部屋の後片付けをしていた。
「――――…随分、お世話になっちゃったな、この部屋とも。」
4年前からカカシが任務の度に幾度となく寝泊まりをした部屋。
戻ってきてからは早々に奈良家へ泊ることをせず、いつからか私は奈良家へと行かなくなった。
いつかくる別れがつらくなるから。
シカマルの未来を全て変えるわけにはいかなかったから。
すっかりと部屋を綺麗にして、机の上にある写真立てに目を向ける。
奈良家の三人と撮った四人の写真。
カカシ先生ととった写真。
シカマルと撮った4年前の写真。
私はそれを全て机にカタン、伏せ、部屋の扉を閉めた。
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