ザビー教潜入!威風堂々!!


「はァあああ!?
 毛利がおかしいィ!!??」



静かなさざ波が包んでいた世界に、怒声にも近い叫び声が響いた。





「そうなのでござりまする!
 ね♪
 犬千代様♪」



驚きなどよりも、共感に声を上げたのは、前田家の妻まつ。



「まつの言う通り!
 奇怪極まりない
 まつぅ♪
 早く帰って鍋に…(Love×2)」



とにかく、お腹を空かせている様子でまつにベタベタしているのは、前田家の当主…前田利家その人である。



「では、船を貸していただきありがとうござりまする(ペコ)
 失礼致しまする」



礼儀正しくお辞儀をすると、ひらりと踵を返す。
その手を力強く利家は握り、引っ張って行く。



「いざいざいざぁああ!」


「犬千代様ぁ!
 逆にござりまするぅ(はぁと)」



そんな色々事を何か問答をした後、嵐のような夫婦は去っていった。







一方、報せを聞いて呆然自失に陥っていた、叫び声を上げた人物。



「…あの毛利が…変!?」



四国の鬼…長曽我部元親は、衝撃のあまり激しい目眩に襲われていた。



「あ、アニキ???」



近くに控えていた部下達が、素頓狂な声を上げながら元親の言動を見守る。



「野郎共ォ!!
 殴り込みだァ!!!
 なんで奴がこの厳島にいないか
 よォく分かった!」







「邪魔するぜェ!!
 どうやら前来た時に、忘れモンをしてたみたいだからなァ!」



「oh!?
 洗礼名エネミーオブピーチマン!
 帰って
 グフォ!?」


「ヤれ(黒)」


「アニキの怒りを思い知りやがれ!」


「オーガ長曽我部では
 ギャッ!!」


「入信はしねェっつってんだろがァああ!!!」





「毛利殿は入信されましたよ!」



怒りのあまり本来の目的を忘れそうになった元親の耳に、その声は響いてきた。



「はッ!?
 毛利は何処だ!
 何処にいる!!」


「その部屋の奥に…」


「野郎共ォ!
 此処は任せたぜェ!」


「アイアイサー!
 アニキ!!」







「戦略情報部隊長
 タクティシャン・サンデー!
 アナタの智略の出番が来ましたヨ」



「おお!
 ザビー様!」



げ、幻覚が見える(滝汗)
とうとう俺もこの異空間の歪みで頭がイカれちまったのかァ!?


そんな事を考えている元親の目の前には、ザビーの肖像画を崇めている元就の姿があった。



「元親か…
 我は愛に目覚めし者サンデー毛利!
 跪くがよい!」


「おいおい、嘘だろ?(汗)」



「これが新たなる我の胎動よ」


「やべェ(汗)
 幻覚の毛利が話しかけてきた…」


「我が日輪の申し子サンデー!
 幻覚などではない!!」


「じゃあ…あれだ
 ドッペルだ
 おぅ、そうに違いねェ(泣)」



身体が拒否するように、顔は引きつり軽く目眩がしている。



「ドッペルゲンガーではない!
 本物だ!」


「なァ、これも俺の動揺を見るための悪質な策略なんだろ?
 そろそろ、止めにしねェか?
 …充分だろ」


「何を言っている?
 貴様の動揺する姿を見て楽しむ趣味などもってはおらぬ
 我は愛に目覚めたのだ!」


「せめて…俺との愛に目覚めようぜ」


「断固断る」


「だああァ〜!?
 毛利がヤクを打って変わってしまったァ〜!!!」


「基本は変わっていないぞ」


「ザビーのブロマイドいるか?」


「いらぬ」



その言葉に、元親は安心しかけた。



「とでも言うと思ったか?
 いるに決まっておるだろう」


「…変わった
 ぜってェ変わった(泣)」



「ファイト!
 タクティシャン!
 イッチャッテ!」


「その期待に応えぬわけにもゆくまい
 参る!」



輪刀を頭上に構え高速回転を加える。



「その構えは!?」



気付いた瞬間、元親は逃げた。

密かに後ろで剣を振り上げていた信者が驚き、勢いあまってその場に剣を振り下ろした。
その瞬間を狙うように、元就の禁じ手「縛」が決まる。
拡大した日輪が内に入った敵(味方)を圧殺するという、恐ろしい技だ。



「ちっ…
 しくじったか」


「タクティシャン
 憎んじゃダメ
 愛するノ!」



お陰で敵が少なくなったが…元親は…。



「てめェらは仲間を愛しやがれ!」



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