ザビー教潜入!威風堂々!!


「ミンナがアナタの頭脳に期待してるネ!」


「任せよ
 我が智略はザビー教のために」



元就は自分の身を守る為、輪刀を自ら潜(くぐ)ってから様々な攻撃を繰り出している。
確かに、持ち運びや流れる水のような動きはしやすいに違いない。
だが、戦略智略の元就には元親程の力はない。
テクニックのみで、あの輪刀を操っているのだ。

その輪刀が迫り来る。



「悪夢だ…」



バックステップやドッジロールで避けながら、元親は呟いた。



「智略を超えた愛の奇跡を起こすのデス」



「神の名のもとに敵を滅すのも悪くはないぞ」


「もっとキレイな神さんにしようぜ
 ま、あんたには偶像崇拝なんて似合わねェが」



「タクティシャン
 愛で勝負ヨ!」



「あんたは厳島の綺麗な海で、お天道様崇めてる姿が一番綺麗だって」


「………
 今なら入信を条件に許してやろう…」


「許す!?
 やっぱあんた、あの毛利じゃねェ!
 元に戻ってくれ!!」


「何をごちゃごちゃと!?」





「はッ」



掛け声と同時にバックステップ、そして信者の槍の突きを避ける。



「イヤッホー」



十飛で更に続こうとしていた槍部隊の猛攻を避けつつ、軌道上の敵を倒す。



「何!?
 我の戦略を!?」



「いつものあんたなら、もっとすげェぜ
 …あんたの策は完璧なんだろ?」



十飛の勢いで、元就を飛び越えて着地する。



「…力ではない
 愛こそが勝利への一手なり」



元就は振り返り様に輪刀を真一文字に一閃!



「んじゃあ、その愛とやらを教えてもらいたかったが!
 それは、いつものあんたであって今のあんたじゃないんでね!」


「な!?」



しかし、そこには元親の姿はなかった。



「もらった!」



元就が攻撃後にとる、輪刀を潜るという隙を突いた技だ。
しゃがみ込みからの、輪刀の内側への侵入。





そして…






優しく唇と唇を触れさせる。







輪刀が手から落ちる音が響く。




同時に、元就の身体から力が抜ける。





元親は、その身体を抱き留めて囁いた。





「これが鬼の名を持つもんの実力よ
 はっは!」





「ぐ… 愚劣な…」



そう忌々しげに言葉を返してきた元就は、そのまま意識を失ってしまう。

しかし、意識を失う直前の顔を、誰か見ただろうか。


見ていれば驚いた事だろう。



その顔は、微かに笑みの形を象っていたのだから…。



「渋い顔したって事態は好転しないんだぜ」



意識を失う直前の笑みを、全く予想だにもしていない元親はそう呟いた。








「はっ!? 我は… 一体何を???」



「気ィ付いたか?
 世間知らずの田舎モンがよォ!」




覚えてないんだろな…



ま、しゃあねェぜ!



ごっそさま





実は、そこだけ記憶があるなんて知らない元親様なのでありました。
元就様も恥かしいので、絶対言わないのでござりまする。
だから、あの場にいた全員(元親様を除く)を惨殺した原因が、あのシーンを見られたからなんて元親様はつゆとも知らないのでござりました。



「まぁつぅ!
 めしぃ!(Love)」


「はぁい(はぁと)
 ただいまぁ〜(はぁと)」



「いただきま〜す!」×2



がっ!



ポロ…ばた!




「きゃーーー!!
 犬千代様!?
 慶次!?」





こうして、究極の食材をつかった、究極の鍋は…

鉄の胃袋を持つ前田家の男子にとっても、生死を彷徨うくらい究極に不味い鍋として記憶に刻まれた。



〜完〜



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