18/07/07〜20/09/23
サボ
しばらくは、ステイ
(コレの続きです)
「は〜幸せ〜」
「またやってるな、おれのブロマイド鑑賞会」
ここは革命軍総本部・バルティゴ。
作戦会議が行われる会議室に来たけれど、一番乗りだったのでサボの写真コレクションを眺めていたら、ご本人が二番乗り。
「見て! この“【R】ハットのつばを掴んで笑う”四種!」
「云うほどレアでもねェだろ」
これは彼のお顔が非常に好み過ぎることが災いし、本物を直視出来ない私なりの愛で方。
ちなみに先日奪われた写真は、コアラちゃんのおかげで奪還済だ。
「このカッコつけまくった感じがイイ」
「褒めてるのか? それ」
ケラケラと笑いながら傍の円卓に腰掛けたサボの声に、顔を上げかけて――スカーフタイ辺りで止まる。
「お前さ、おれの写真欲しいんだろ? コレやるよ」
ふと、黒手袋が差し出してきたのは、一枚の写真。
「ッ何コレ!!! 超レアじゃん! SSR!?」
「だぶるすーぱーれあァ? 広報部の奴らから没収したんだけど、捨てるよりお前にやった方がいいかと思ってさ」
それはまさしくセクシーショット。上半身裸で首にタオルを掛けた、【SSR】風呂上がりサボ――なんだこれは!!
「……これ、私はすごく嬉しいけど総長はいいの? 恥ずかしくないの?」
いくら私が総長のブロマイドを集めているとはいえ――
「お? そんなこと訊くヤツにはやらねェぞ」
「うわあ、やだ! 要りますスミマセン、何も訊かず有り難く頂戴致します!!」
少し不機嫌になりかけたサボ(多分、図星だから)にまた奪われては堪らない。
「うふふ、エロカッコイイですねえ、参謀総長」
「ハハハ…………すっげェフクザツ」
でも、前みたいに“おれを見ろ!”とは云わないので不思議に思いつつSSRを堪能していると、時間になったのか会議メンバーたちが入ってきた。ブツブツ呟いていたサボが、よっ、と円卓を降りる。
作戦会議を始めるとのドラゴンさんの低い声が響き、こちらに背を向けた青い服の裾を慌てて引っ張った。
「ありがとねっ」
こそっとお礼を云えば、彼は「ふっ」と軽く吹き出すように返事をして、参謀総長の席へ向かって行った。
その顔を見ることは出来なかったけど――きっと、優しく笑ってくれたんだと思う。
Fin.
(はァ……可愛いなアイツ。もはやムカツク)
(サボくんもっと直球でいけばいいのに)
(おれのこと直視出来ねェヤツに直球でいって避けられちまうのは御免だ)
(難儀な二人だねえ)
会議中は私語厳禁。
******
二年間拍手を務めて貰いました。拍手で初めての続き物でした。
今回は自分の写真に嫉妬はせず(してるけど)、逆に与える参謀総長です。色々考えた結果、こうした方が当面の間はいいだろうと判断したんでしょう笑。もしかしたらまたこの二人を書くかもしれません。
拍手&コメント、どうもありがとうございました!
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