×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -
02

見つけたのは私が先だった。なのに、なんて言ったらきりがないけれど、彼と彼女を引き合わせたのも私自身なのだから、仕方が無い。


「First name、またこんなところにいたんだ。ゲンマが探してたよ」

「カカシさん」


屋上で寝転びながら空を見上げていればカカシが呼びにきた。

あんなに追いかけていたのに、今ではもうその背中を見る事もない。あの日、私はその背中に背を向けてしまった。その瞬間、もう私に彼を追い掛ける資格などなくなってしまったんだ。


「すみません、すぐいきます」


暗部を辞めた時、私は忍じたいを辞めるつもりだった。でも火影はそれを許しはしなかった。実際問題、忍をやめて食べていくのは難しい。私には最初から何も持っていなかったから。


「ねぇ、First name。ちゃんとごはん食べてる?また痩せたんじゃない?」

「あはは」


彼に背を向けて空に向けて笑った。そして、顔だけ振り向いて……。


「あなたに関係ないじゃない」


両手を広げ、重力に抵抗なく、落ちた。

その背を彼が、憂いた目で見つめているとも知らずに。

[ 41/141 ]

[*prev] [next#]
[目次]
[]