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待機所には命懸けの任務に一時の休息を求め忍たちが賑わっている。特に今日は任務を終えて里に戻って来た者が多いのか、ところどころで再会に花を咲かしていた。そんな端、First nameは一人テーブルで頬杖を付いていた。


「ちょっと、First name!まぁたあんたご飯抜いて!そんなんじゃ任務もできないでしょ!?」

「ナズナー、頭に響く。声、抑えて」


相変わらずFirst nameを母親のように叱るのはナズナだ。赤み帯びた髪が胸元まで伸びたのは、First nameが長期任務のため留守にしている間に出来た恋人の影響だとか。

腰に手を当てて現れたナズナにFirst nameは唸るように言って頭を抱えた。すると、ナズナはいつもと違うFirst nameの反応に一瞬きょとんとするも顎に指を添えてしばらく思考し、納得したのか静かに向かいに腰を下ろした。


「何、二日酔い?」

「んー、昨日久しぶりにユキと呑んでて気付いたら出勤時間過ぎてた」


顔見知りの居酒屋のおじさんに「行ってらっしゃい」なんて背中に手を振られ出勤とは、さすがのユキもやってしまったという顔をしていたよ。


「あ、First nameさん」

「およー、シカマルくんだー」


待機所にやってきたシカマルはきょろきょろと見渡したあと、目当ての人物を見つけ「いたいた」と零しながら近付いた。


「First nameさん、これ。朝、頼まれた薬っす」

「神よ、このご恩は一生忘れないっす」

「大袈裟な」


渡された小瓶を捧げるポーズのまま平に頭を下げる私にナズナが突っ込む。

奈良印の二日酔いに効く薬。朝すれちがった時に頼んでおいたのだ。


「First nameさん、なんかまた痩せました?」

「シカマルもそう思うでしょー?この子ったらほんと食に関しては無関心で」


シカマルが胡散臭そうな顔で言えば、ナズナが軽い口調で後を繋ぐ。First nameと言えば嫌な話題に苦笑。


「今夜チョウジたちと焼肉の予定なんすけど、良かったらどうっすか?」

「行きたい!あ、あー」


勢い良く答えたものの、次の瞬間には嫌なことを思い出し唸る。


「何よ、なんか用事?」

「うん」


今日はカカシさんが帰ってくる日だ。家にいなきゃ。家にいないとまた。First nameは無意識に腕をさすっていた。

その姿にナズナとシカマルは神妙な面持ちで顔を見合わせていた。

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