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  サヨナラを告げてやれIF



これのIF


赤犬さんと戦って、お姉ちゃんが負けたら的な話。死ネタだ。

 赤犬さんと死闘やって、相討ちながらも戦闘不能に追い込むけど、満身創痍。腹を貫かれました。
 んで、倒れて霞む視界にエースをうつして安心すればいい。それから、動かない体をどうにか動かして、呆然としてるクザンさんを視界におさめる。
「くざん、…さん。ごめ…な、さい。……あり、がと」
 愛してくれてありがとう、と微笑んで息を引き取る。本当に小さな声だったけれど、見聞色使えるからちゃんとクザンさんに届いた。
 多分、他何人かにも聞こえたと思う。オヤジとかね。エースには聞こえてないかな。

 で、赤髪登場。この人彼女の小さい頃を知ってる。兄ポジションだったかも。
 戦争止めて、亡骸を引き取ると宣言するシャンクス。可愛い妹だ、ちゃんと弔ってやりたいさ。
 「頑張ったな」って、口元を汚す血を拭って、乱れた髪を整えてやる。それから、傷だらけの体にマントを被せてやればいい。
 その後「ベック」「…あいよ」みたいな短いやり取りして、ベックさんがその亡骸を抱き上げる。それはもう丁寧に。シャンクスが片腕で抱き上げてもいいんだけど、そこはベックさんで。

 泣くことも許されないクザンさんは、それを静かに見てる。赤髪には感謝な感じで。海軍じゃ、まともに弔ってはくれなかっただろうから。

 そして、例の無人島へ。ナースさん達の手とか借りて、綺麗になったお姉ちゃんは花に囲まれて棺の中で眠る。微笑んだまま亡くなったから、最高に綺麗でエースが切なくなるんだよ。
 「なぁ姉ちゃん。なんでだよ。俺、アンタのこと何も知らねぇのに。なんで、俺を守ったりしたんだよ」って泣けばいい。
 で、オヤジが「愛してたからに決まってんだろうが」って頭なでてくれる。それから、眠る彼女には礼を言ってくれるよ。
 白ひげの面々は泣き笑いで感謝を述べるよ。多分、もうカウント家族。
 埋葬が終わって、その場で宴でもすればいい。賑やかに送ってやるのが海賊流だもの。そんな中で、シャンクスとかオヤジが昔の話してくれる。とても優しい子供だったと。
 
 で、島を去る前にエースは墓前で姉ちゃんの分も生き抜いてみるって誓えばいい。「姉ちゃんに貰った命だ。大切にするって約束するから、見ててくれよな」涙目でニッて笑ってから家族の元に走って行くんだよ。

 クザンさんが訪れるのは、海軍辞めてからだと思う。彼女が好きだった花を手向けて、色々報告すればいい。元帥争いの事とかね。
「結局、俺はお前を殺したあいつが許せなかったんだろうね。あいつにはあいつなりの正義がある。…それでもね」
「なぁ、もしあの時、おれが立場なんてもの捨てて、お前を選んでたら、まだ笑っててくれたのかな」「…ごめんな、守ってやれなくて」
 そうやって、クザンさんしばらく泣く。多分、彼女が死んでから始めて泣いた。
「…俺は俺なりに正義を貫いてみるよ。だから、もうちょっと待ってて。その内行くからさ」
 「愛してるよ」最後にそう言って、クザンさんは背を向けて静かに島を去る。ちゃぷん、って彼女が能力使う時の音がしたようなしないような。

 そんな話。切ないながらも爽やかに終わるといいな。予期せず赤髪さんちがイケメンになった件。



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