長編 | ナノ


  青色の異世界


 私はソフィア・ルーカス。年齢は27才。職業は薬学の学者。突然だけど現状確認。
 場所はたぶん無人島。探索したけど、人の気配はない。気候は暖かいし、周りは綺麗な海に囲まれててバカンスにちょうど良さそう。でも、見たことのない動植物ばかりなのがちょっと気になる。
持ち物は学生時代からの相棒ニンバス1700と杖。それから、大鍋、各種材料、薬瓶、着替え、本、その他色々を拡張呪文と縮小呪文で詰め込んだトランクだけ。まあ、トランクに大事なものはほとんど入っているから心配ないのだけれど。
 さて、現状確認は終了。分かったのは、ここが私の知らない場所だということ。さらに言えば異世界であるということ。姿現しと姿くらましが全く使えないから多分そう。…小旅行の帰りだったんだけどな。
 姿現しで不意に時空を飛び越えてしまうことがあるのは知っていた。大抵の場合は戻れずに痕跡だけが残るらしい。まあ、自分におこるとは思わなかったけれど。
 とりあえず、今は少しでも多くこの世界の情報が欲しい。戻れないのなら、ここで生きていくしかないのだから。…潔いのは私の長所だ。
 幸い、姿現し姿くらまし以外の魔法は使える。とりあえず、船でも探そう。無人島では何もわからないから。

色の異世界


 空と海がやけに綺麗だった



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