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コンコン


「お邪魔するぜ?」


あれから数分歩き、小さな山小屋についた赤ずきん。ノックしても返事はなかったため、控え目に扉を開けて周囲を見回すとベッドが膨らんでいます。


「具合が悪いのか?・・・・・ん?何でこんなに背が高いんだ?それに金髪だし・・・・・」

「・・・・・それは俺が




キングだからだ!」

いきなりガバッと現れたのは金髪長身ことジャック、と呼ばれる狼。しかし"ジャック"、"狼"と呼ばれても返事はしないで、"キング"と呼ばれた時のみ返事をする変人なのです。ベッドに近づいた赤ずきんを引きずり込み、上に覆い被さります。


「む。遊星が帰ってきたのではないのか。・・・・・まぁいいだろう。」

何がいいのか。そんなこと聞きたくもありません。危機感を感じた赤ずきんは回避行動に移りました。


「あ、遊星!!!」
「何!?」


名前を聞くや否や、反応を示した金の狼。入り口に目がいってる時、窓から何かが飛び込んできました。
狩人です。


「アルティメットバァァァァァスト!!!!」


また技を叫びながら今度は矢を三発。狼の揉み上げを掠めていきました。


「くっ貴様!俺の髪に傷を負わせるとは・・・・・」

「何事ですか?」


そこでお婆さんが帰ってきました。寝てなきゃいけない筈なのに歩き回るとは、元気ですよね。


「遊星!!!」

「ジャック・・・・・またお前か・・・・・」


呆れた様に言うと、赤ずきんを助け起こします。


「・・・・・ユウギさんに手を出そうとするとは・・・・・」

「違うぞ。これは遊びだ。」
「遊び!?」

「・・・・・遊星、相棒からだぜ。」


狼とお婆さんの会話に割り込んで赤ずきんはバスケットを手渡しました。


「これは・・・・・」






―鎮静剤。



「ジャック。」


狩人と金毛の狼が争ってるところへ台所へ行ったお婆さんが、すぐ戻ってきました。


「変なマント着おって!そこから趣味の悪さが伝わってくるな。ハハハハハ!!!」

「フゥン。その下品な笑い、貴様に相応しい。」

「どっちもどっちだぜ・・・・・」


赤ずきんは正しいツッコミをしますが、この二人には全く聞こえてません。


「ジャック。」

「おぉ遊星!どうした?」


無言で牛乳をつきだすお婆さんに狼はそれを受けとりました。それを一気に飲み干した瞬間。
狼は倒されました。
グッタリした狼を慣れた様子で引っ張りだすと、窓を綺麗に修復しだすお婆さん。赤ずきんは唖然としています。


「遊星・・・・・あれは・・・・・」

「ジャックは騒いでないとダメな人・・・・・もとい生き物なので、鎮静剤は毒に近いらしいんです。だからあの狼を黙らせるため、遊戯さんが定期的に薬をくれるんです。」

「流石は相棒・・・・・」

「大丈夫もう一人の僕!?」


やってきました噂の人。扉をバンと開け、赤ずきんに抱きつきました。


「狼に食べられてない!?狩人に何もされてない!?」

「心配性だぜ相棒・・・・・それより用事はいいのか?」

「・・・・・大丈夫。」


と言うわりに目線は泳いでいます。


「・・・・・遊戯。やはり貴様とは決着をつけなければいけないようだな。」

「望むところだよ。狩人モドキ君♪」


二人はとことん仲買悪いのでした。「喧嘩なら表でどうぞ。」というお婆さんの冷静な言葉に従い、二人は火花を散らしながら出ていってしまいました。


「ユウギさん、何か飲みます?」

「遊星と同じでいいぜ。」


数時間に渡る白熱デュエルの間、二人はのんびりティータイムを楽しみました。
ちなみに、赤ずきんの弟の仕事は狼の城之内君がやってくれていたとかなんとか。


今日も森は平和です。

めでたしめでたし。


+END




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宙様より相互記念小説を頂きましたv
リク内容が何を思ったのか「赤ずきんちゃんパロ」だったのですが、そんな唐突なリクエストにも快く引き受けてくださいました…!

それにしてもキャストの裏切り方が素晴らしすぎます!
だってまさかゴッズカップルまで登場するなんて…!
そして今回も宙様宅の表くんの最強っぷりが素敵でしたね。
本当に宙様の表くんには惚れぼれします……鎮静剤…!(笑)
なにより赤ずきんとお婆さんが終始可愛すぎて頬の筋肉緩みっぱなしでしたvありがとうございます!



次頁で思わず一緒に掻っ攫ってきたおまけ文章ですv



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