(赤ずきん?ちゃん)
ある場所のある森に、二人の双子が住んでいました。二人はデュエルが好きで、デュエル好き(ん)と呼ばれていました。
・・・・・ウソです。
遊戯とユウギという名前の二人は、見た目もソックリで名前も一緒のため、ユウギはシルバーをつけていました。それでついたあだ名はシルバー好き(ん)・・・・・
またウソですすみません。
ユウギは赤いずきんをいつも被っていて、赤ずきんと呼ばれていました。
「もう一人の僕ー。ちょっといいかな?」
「何だ相棒?」
「今手が離せなくて、お使い行ってほしいんだけど・・・・・ダメだ。外は何があるかわからないし・・・・・」
弟はかなり過保護でした。
「いや、俺が行くぜ!!別に危険な物はないところだし、気を付ければ事故も起こらないだろうし。相棒は心配性だな。」
「危険な者ならいるけどね・・・・・じゃあ・・・・・お願いしようかな?あ、もし人が半径10km以内に入ったら逃げるんだよ?会うもの全てに気をつけて。」
さらりと何か人間に恨みでもあるような発言を聞き、赤ずきんはバスケットを受け取りました。
「あ、おばあさんの所でも気をつけて。」
もう何がなんだかであります。
*
さて、歩き始めた赤ずきん。と、家が見えなくなって約0.1秒後、聞き覚えのある高笑いが聞こえてきました。
「ユウギ!!!今日こそ俺とブルーアイズの勝利だ!!!!ワハハハハハ!!!!」
いきなり鬱陶しい人が出てきました。どうでもいいですが、ブルーアイズ型のボウガンを持ってるので狩人らしいです。
「嫌だぜ。今は相棒からお使いを頼まれてるんだ。」
赤ずきんは毎度挑まれるデュエルにウンザリしていたのと、真面目な性格のため一刀両断です。
「フゥン。ならば夜でもかまわん。」
「そこの変態っ!!ナニ誤解を招くやなこと言ってるのさ!!!」
と、手が離せない筈の遊戯が走ってきました。そして膝蹴り一発。倒れた海馬を足場に、ユウギの手を引きます。
「もういいや。お使いはまた明日でも。」
突然物語を終わらせるつもりです、彼は。
それは流石にネタ切れと勘違いされて、管理人の立場がまずくなります。
「遊戯!!そりゃねーだろ!?」
ここで狼登場です。ぇ、着ぐるみを着た城之内ですか?誰ですかそれ?
「城之内君!!!」
「まてまて!!!今は狼だから。な?」
赤ずきんが空気から逃げたさに駆け寄ると、狼はため息一つ。
「じゃあ狼・・・・・君。何故ここに?」
「君?まぁいいや。行くなら早く行こうぜ?このまま話が終わったら短編って言っても誤魔化せねぇだろ?」
そうです。問題はそこです。とにかく困るんです。
「だからって狼にはついて行っちゃダメだよ!!!」
「遊戯。そこに狼より危険な存在がいるだろ。」
「あ。そうだね。」
あっさり納得してしまいました。これは酷いです。
というか遊戯と呼ばず、ちゃんと・・・・・
「何を言う遊戯!!!!この物語は人喰い狼を退治する正義は狩人だろう!」
「大丈夫。君は別次元でもう一人の僕をストーカーの如く虎視眈々を狙う変態だから。」
バチバチと目から火花が散っております。何だか嫌な雰囲気になってきました。
「滅びのバーストストリィィィィム!!!!」
いきなり聞いたことのある技を叫びながら、狩人は矢を放ちました。
「本当のこと言われて逆ギレ!?もういい加減にしてよ!!」
避ける彼も凄いですが、躊躇いなく攻撃を仕掛ける彼もまた凄いです。
「もう一人の僕!危ないから下がって!」
「待ってろユウギ!!!意地汚い狼などすぐ片付けてやる!!!」
この物語を子供に見せたら確実に泣くでしょう。しかしもう完全に話の筋が頭から抜けてしまってる二人には、馬の耳に念仏状態。
「おしユウギ。今のうちに行け。」
「ありがとう!じょ・・・・・狼君!!今更だけど俺は今赤ずきんだぜ。」
そうです。この物語は赤ずきんちゃんなんです。誰が何と言おうとも、所詮は童話なのです。
いがみ合う二人を背に、赤ずきんは駆け出しました。