遊戯
撮り終えたプリクラを見て、きーちゃんたちに自慢しよーとか言っていたので厳重に止めておいた。
クレーンゲームのところを見たり、少しゲームしたりしていたらバスケのゲームがあるのを見つけた。
ちょっとやってみたいな、とか思っていたが人だかりが出来ていたので諦めようとすると、その人だかりはよく知るメンバーだったので足を止める。
「あれ、桃っちとなまえ先輩?!」
「こんにちは、桃井さん、みょうじ先輩。どうしたんですか、こんなところで」
「テツくーんっ!でもごめんね、今日は先輩とデートなの…昨日決めたでしょ?」
プリクラも撮っちゃった、とさっき忠告したばかりなのに早速破られてしまいこめかみを押さえる。
黄瀬、黒子、紫原、青峰がいたけど、紫原と青峰はゲーム中でこちらにはまだ気付いていない。
「テツくんたちはどうしたの?」
「紫原くんたちがせっかくこちらに来ているので、遊びに行こうと」
「なかなか集まる機会ないッスからねー、最後に集まったのも黒子っちの誕生日の時だったし」
あぁ、そういえば黒子の誕生日をみんなで祝ったと聞いた。
私も赤司に誘われたけど、ちょうど用事と重なってしまっていたのでお断りしたのだが。
「ミドリンと赤司くんは?」
と、桃井が何の気なしに純粋な疑問を黄瀬たちに投げかけていて、一瞬ドキリとした。
そうだ、"みんな"なら赤司がいるはず。
「秀徳は練習があるみたいで、後で合流することになってます」
「赤司っちはトイレッスよ、あ、戻ってきた」
そう言って私の気持ちや昨日の出来事を知るはずもない黄瀬が暢気に私と桃井の後方へ手を振っているのを見て、ちょっとだけ逃げ出したくなった。
(わ、私知りませんでしたよ!?わざとじゃないですからね、先輩!)
(…まだ何も言ってないでしょ…)
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