ストーカー先生・2

どうも。みょうじなまえです。
今日も今日とて開闢の帝王様たちは練習に励んでいらはりますが、私は本日の練習後の勉強会のことで頭が一杯です。

昨日は根武谷先輩を教えて、そして今日は葉山先輩を教える事になってる。
実渕先輩とあの赤司くんが教えてダメだったなら私なんかが教えても無駄なんじゃないかなぁ?
あぁでも頑張ったら黛先輩が褒めてくれるかもしらんしそんなことより今日も黛先輩かっこいいです黛先輩のタオルになりたい。
と、悶々と考えていたら、赤司くんが練習の終わりを告げた。

「なまえ。今日は小太郎のことを頼んだぞ」
「あぁうん。自信ないねんけど…」
「大丈夫だ。明日お前が教えたことを忘れていたら次の練習試合で50点取らせる」

そういえばそんなこと言っとったね…。
赤司くんと並んで部室に向かう道中、下校する女子生徒たちの視線が痛い。
大丈夫ですよー、私この魔王様には興味ないですよー、この人も興味ないですよー。
そう言ってやりたいけど言った所で無駄なのはわかっている。

「来たわねなまえちゃん、征ちゃん。小太郎は本当バカだから骨が折れるでしょうけど…」
「おうみょうじ!昨日教えてくれた分もう解けたぜ!」
「さすがやないですか根武谷先輩!葉山先輩も今日がんばりましょうね」

嬉々として報告してくれた根武谷先輩を褒め、葉山先輩に激励する。
なんだかぐったりしてるみたいだけど大丈夫かなぁ。

「オレが教えていた時も、同じように出来てほしかったんだけどな」

背後からそう声が聞こえたのでびっくりして振り返ると、真後ろに黛先輩が立っていた。
ふおおお近い!っていうか背高い!
とかおどおどしていたら赤司くんに首根っこを掴まれて葉山先輩の隣まで連行された。ひどい。

「じゃあ先輩、今日はお願いしますね」
「おー…」

なんや、今日は随分元気ないなぁ…と、葉山先輩の前に並んでいる問題集のコピーを見ると赤ペンでたくさんチェックマークがついていた。
どこでどうミスをしてしまっているのかを確認して、これはどうわからなかったのか、という事を質問していく。
少しずつ紐解いていけばきっとわかるはずなんだけどなぁ…。

「黛、これは!?」
「だからそれは一昨日も説明しただろ」
「なぁなぁなまえ、こっちはなんでこうなるんだ?」
「えっと、それはですね…」

一つ一つ、小さな質問にも事細かに説明する。
余計な事を話してしまうと混乱してしまうので、応用の使い方だけを簡潔に。
って、葉山先輩も別に飲み込みが悪いわけじゃないみたい…?

「あら…?小太郎、ちゃんと解けてるじゃない」
「へっへー!なまえの教え方が上手いんだよ」
「まるで僕たちの教え方が悪いみたいな言い方だな?」
「赤司の教え方はまだいいけどレオ姉怖いんだもん…」

唇を尖らせて拗ねたような表情をしている葉山先輩を見て、苦笑しながら実渕先輩を見ると呆れたようにため息を吐いていた。

「僕の教え方は赤点にならないギリギリの点数を取れるようにするだけだから、なまえの教え方で学んだ方が身に着くだろう」
「な、なんか褒めすぎちゃう!?葉山先輩がすごいだけやろ」
「それだよ。僕たちはどうしても呆れたり、バカにしてしまう節があるから教えられる側としてもやりにくいんだろう」

ほんなら呆れたりせんやったらええのに…と、思ったけどまぁ出来る人からしたら普通はそういうものなんだろう。
いくら勉強ができないとはいえ、葉山先輩も根武谷先輩も先輩だしバカにしたりとかそんな恐れ多い!

「んー、でも実渕先輩や赤司くんが根気よく教えてくれてたから、葉山先輩もそれちゃんと覚えてたみたいやし。基礎出来てる分教えやすかったよ」

純粋に思ったままの事を言ったら、なんか赤司くんも実渕先輩も固まってた。
え、なんか変な事言ったかな…?



(本当なまえちゃんって良い子よねぇ…もったいないわ)
(え!?もったいないって何がですか!)
(なまえこれはこうで合ってる?!)
(合ってます!ほら、葉山先輩ちゃんと出来てるやないですか)
(みょうじ、これは?)
(合ってますよ根武谷先輩!ってなんで二人共私に聞くんですか?!)

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