ストーカーイン遊園地

遊園地に着いて、まず何をしようかと園内の地図を見ながら相談する。

ジェットコースター乗りたいけどここにはないし、景色メインの場所なので乗り物って言ったらゴーカートか観覧車くらい。
ゴーカート乗りたいなぁって思いながら地図を見ていたら、赤司くんが口を開いた。

「みょうじはゴーカートに乗ったら逆走しそうだな」
「な!せんよ、逆走とか!」
「しとったやん前ここきた時…」
「ともちゃんそれ言ったらあかん…!」

呆れながら隣のともちゃんが言ったのを、やっぱりなんか不満そうに赤司くんが見ている…。
多分だけど、赤司くんは私が唯一の女友達って言ってたし正直赤司くんって友達いなさそうだから友達の友達ってポジションの相手をライバルみたいに思ってるんじゃなかろうか。

ともちゃんもなんとなくそのことを察知したらしいけど…。

「なまえちゃんのことなら何でも知っとるよ、だって洛山に来たのだって私がいるからやろ?」

にっこりと可愛らしい笑顔でそう言われて、あ、この子もそういえば私以外の子といるとこ見たことないわ…と思い出した。
これは逆に私が一緒に居たらせっかくの集まりが良くない方向に行ってしまう…!

「あ!サイクルカー乗らん?!景色見よう景色!」

二人乗りだし赤司くんとともちゃんを一緒にしてわだかまりを解いてもらおうと私にしては名案を提案した。
赤司くんとともちゃんはしばらく顔を見合わせていたけど、こちらを見て笑顔で快諾してくれた。
ともちゃんここ来る前までは赤司くん直視出来んとか言ってたのにえらい違いやねんけど…。

「もちろんなまえちゃん私と一緒に乗るやろ?」
「友達同士で乗るものだろう、みょうじは僕とだ」

後ろでともちゃんと赤司くんがなんか話してるけど聞かなかったことにしつつ、どうやってあの二人を一緒にサイクルカーに乗せるか考えていたら乗り場に着いてしまった。
絶対この人たち黛先輩のこと忘れてるやん…。

「4名様ですね、お二人ずつどうぞ」

案内の人にそう言われて、赤司くんとともちゃんにじーっと見つめられたのでどうしようかと思い悩んでいたら黛先輩がため息を吐いたのが聞こえて。
次の瞬間には、腕を引かれていた。

「…お先に」

私の後ろで固まっている二人に声をかけてサイクルカーに乗り込んだ黛先輩に倣って、私もサドルに腰掛けた。



(…ん!?これって私黛先輩と二人きりやん!)


[ 22/31 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -