ストーカーはストーカーを呼ぶ

「なまえちゃん最近赤司くんと仲良いやん、ずるくない」

赤司くんのファンの私の中学来のお友達が、机に突っ伏してそんな事を言ってきたので全力で否定する。
仲良くはない、決して仲良くはない。

「あんた頭も良いし顔も良いもんなぁ、赤司くん頭良い子好きそうやし」
「安心しいよ、赤司くん私のこと部員としてしか見てへんよ」
「ほんなら結構誤解してる子多いみたいやし気ぃつけや?」

あぁうん、視線やらで気づいてはいたけどやっぱりそうなんや…。
正直な所、赤司くんが私を気にかけてくれるのは黛先輩やら他のスタメンの皆様に迷惑がかかってしまうからってだけなんやろうけど。

「そういえば愛しの先輩とは最近どうなん?」
「うん相変わらずかっこええで、今まで上から見てるだけやってんけどあれやね、視点が変わるだけで見えるものがぎょうさん増えてもう天国っていうかこないだなんてな、腹チラゲットしてしまってん。写真撮れなかったのがほんま残念やわ家宝にしたのに」
「なまえちゃんも相変わらずやね…こりゃ赤司くんと何かあるとか疑う余地もなかったわ」

息継ぎほぼ無しで言い切ったら溜息を吐かれた。
あ、あかん、なんか赤司くんこっち見てるあかん。

「みょうじ、まさかとは思うが今」
「ちゃう!この子はもう前からやから問題ないねん!大丈夫やねん!」

やはり察知したらしい赤司くんがこちらに歩み寄ってきたのでお小言を頂く前に弁明しておいた。
さっきまで饒舌に喋っていたお友達は恥ずかしそうに俯いて黙りこくっている。
私もはたから見たらこんな感じなんやろか…。

「…ならいいが。君もこの変態に付き合わされて大変だね」
「へ!?いえ、そんな…!」
「ええねん、この子は私の大親友やもん。何言っても許してくれんねん」
「ほう、それは良かった。だが教室では気をつけろよ」

それだけ言い残して赤司くんは席に戻って行った。
お友達はまだ夢心地のようだけどそういえば赤司くんが他の女子と話してるのあんま見ぃひんわ。

「よかったやん、感謝しぃよ」
「っていうか赤司くんほんまかっこええ、声良すぎやろ録音したかった」
「あんた私のこと言えへんやんけ…」

普段の私みたいなことを言い出したので呆れて突っ込む。
私なんかよりこの子の方が何万倍も可愛い。
結構告白されたっていう話も聞くし、赤司くんみたいな魔王様やめて普通にいい人と付き合うたらええのに…。

とは思いつつも、そういう問題じゃないことは私が一番良くわかってる。
好きなんやもんな、仕方ないもんな。

「頑張ろうな、なまえちゃん」
「夏休み中どっか行こか、私赤司くん誘うから先輩誘ってよ」
「難易度高いんやけど!?なまえちゃんが誘った方がええやんそれ!」
「無理や…面と向かって話すとか死ぬ気しかせんもん…」

あと二日で夏休みなので、せっかくだし間を取り持ってあげよう!



(究極三人で遊びに行くとかでもええんちゃう)
(それ絶対なまえちゃん途中でいなくなるやろ)

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