オネエとストーカー

昨日の件を朝一番で挨拶と共に伝えてみたら案の定怒られました!

無事今日のテストも終わったので、今日は一人で黛先輩タイムしようと思っていた矢先に実渕先輩に捕まってしまった。
校門で黛先輩の出待ちしてたんに!

「黛先輩タイムが…」
「たまにはいいでしょ?征ちゃんも生徒会の仕事があるみたいだし」

ふふっと微笑む実渕先輩は本当に男性なんやろか…?
多分私なんかよりよっぽど女性らしいんちゃうかな、とか思っていたら早く行くわよ、と怒られてしまったので慌てて実渕先輩の後を追いかける。

そういえば男の人と二人きりで下校とか生まれて初めてかもしれない。
日課を"一緒に下校"と換算しなければの話だが。

「そういえば小太郎たち、今日のテストも上々だったみたいよ。なまえちゃんのおかげね」
「いやいや、私ほんまに何もしてないですって」
「謙遜しちゃって…もっと自信持っていいんじゃないかしら」

そんな話をしながら行きついた場所はおしゃれなカフェだった。
こんな所知ってるなんて、やっぱり先輩は女子だ。うん。

「ここ私のお気に入りなのよ、学校からも近いし」
「へー!めっちゃいいお店ですね」
「ふふ、黛さんと一緒に来たらいいわ」

お店の雰囲気にうきうきしながら店内を見回していたら、そんなことを言われたので一瞬動きが止まる。
あれ、なんでやろ。

「あら…ごめんなさい、困らせちゃったわね」
「いえいえいえ!こちらこそごめんなさい…でも黛先輩こんなところ来はらないでしょ?」
「…なまえちゃん、」

苦笑しながら返してみたら、なんだか実渕先輩に悲しそうな顔をさせてしまった。
どうしよう、やっぱり黛先輩の事を話すのは赤司くんだけにした方がよかったんかな?!

「私はなまえちゃんの事応援してるわ。だからなんでも相談してね?」

メニューを手に取りながら優しく微笑んでそんな風に言ってくれる先輩に精いっぱいの笑顔でありがとうございます、とお礼を言った。

でも、心配されたり、気遣われたりするのはあまり良い気分がしない。
昔からそうだったので友達にも相談やなんかの類はした事がないから、先輩からの有り難いお言葉に甘えさせて頂くことは今後ないだろう。
赤司くんに話している内容だって、相談とはかけ離れているし。

とかそんな失礼な事を考えていたら、実渕先輩が注文決まった?って聞いて下さったのでパッと目に着いたアイスココアを所望しておいた。



(相談ってそもそもどうやってしたらいいかわからんし)
(したところで何が変わるってわけでもないやん?)


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