ヒーローになりたいお年頃
「えーん！レベリング手伝って！」
新しいクラスが実装されると聞いて、公式ムービーを見た瞬間一気にテンションが上がった。
この、このTMGのアクション！かっこいい！
休憩時間中に徹底的に調べ上げようと思いいろいろ見ていた所、一つ問題が浮上してしまった。
…私テク職全部レベル低い…。
という事で、赤司くんに泣きついている所です。
「レベリングって、ガンナーもバウンサーもハンターもレンジャーもカンストしてるだろう」
「違うよ、ヒーロー！ヒーローになりたいから、テク職も上げないといけないの…」
「あぁ、新章か。わかった」
快くOKしてくれたのでありがとう！と言って手を握ったら副会長さんに睨まれた気がする。
『ぷそこ：やほー！暇な人いますか！』
帰宅して早速インして、挨拶と共に声掛けをする。
うーん、Foが48、Teが23、Suが5…5？！ひっく！
とか自分で驚いていたら、高尾くんが『オレと真ちゃん暇してんぜー』とチムチャに返信してくれた。
黄瀬くん・青峰くん・黒子くん・桃井ちゃんはアルチでレア掘り中、火神くんと氷室さんはチャレクエ中らしい。
黛さんはソロエクス…独極かな？紫原くんは今日はまだインしてないみたいだった。
『ぷそこ：Foのレベリング手伝ってほしい(´;ω;｀)』
『シャラ：珍しいッスね、なまえがテク職とか』
『ダイキ：おめー絶対向いてねぇだろ、やめとけよ』
『ぷそこ：ヒーローになるためだからね…！』
『ダイキ：あー、あれ条件めんどくせぇよな』
うわぁ装備できる武器無いし…。
とりあえずガンスラで行こう、それかJBでいいや！
赤司くんにリーダーを任せて、スッカスカの装備を埋めていたら緑間くんと高尾くんも合流した。
スキルは黒子くんに教わりながらある程度出来上がっているのでまだよかったけどテク職悲惨すぎるなぁ私。
『みほーく：んじゃ、行くか』
『エース様：やはりアドか？』
『ぷそこ：このレベルだったらアドが一番かなぁ、カプセルあったっけ…』
『征：森林でいいか？』
準備が終わったので、赤司くんの問いかけにお願いします！と返すとクエストが受注された合図が鳴った。
デイリーオーダーと、ハンスさん、ラヴェールさんのクライアントオーダーを受けてからキャンプシップに向かう。
『ぷそこ：アドとか久しぶり』
『みほーく：カンストしてからだったら用事ねぇもんなー』
『征：経験値アップは飲んだかい？』
『ぷそこ：のんだー！おっけ！』
ドリンクも飲んだし、準備おっけー！
カプセルあったかなぁと確認していたら、どうやら赤司くんがカプセルの支払い方法をリーダーがまとめて払うにしてくれたみたいで使う事はなかった。
みんなでゲート前に集まって、いざ！
赤司くんも高尾くんも緑間くんもカンスト職で来てくれたし、そんなに私が意気込む事もないかなぁ。とか思ってたら、いきなりキャンプシップが揺れた。
赤いアラートが出て、ブリギッタさんからの通信が入る。
『ブリギッタ：き、緊急連絡です！キャンプシップ周辺にダーカーの反応！異常重力源に引き寄せられています！』
『みほーく：は！？アドで拉致発生するっけ！？』
『征：いや、あり得ない…あれはTAからの発生が条件だったはずだ』
『エース様：何事なのだよ！』
『シャラ：どうしたんスか？』
『ぷそこ：なんか拉致発生した』
『ダイキ：お前らアド行ったんじゃなかったのかよ』
『DRAGON：ただいま。何かあったのか？』
『ももくろ：なまえちゃんたちがアドで拉致されたみたいなんです！』
それはアブダクションの発生を予告するもので、ブリギッタさんからの通信が終わった直後に大きな衝撃が来たのでつい倒れこんでしまう。
え、え？何事…？
とか思っていたら、すぐにダーカーの巣窟に転送された。
『みほーく：バグかなんかかねぇ』
『エース様：いずれにしてもただの拉致クエストだろう』
『ぷそこ：それに多分VHだろうし、なんか気味悪いからさっさと終わらせちゃおう！』
『征：…嫌な予感がする。チームチャットが使えないぞ』
そう赤司くんが呟いたので、チムチャにチャンネルを合わせて発言してみる。
でも青い吹き出しに代わってしまって、チムチャに発言する事が出来なくなっていることに気付いた。
『みほーく：ウィスも使えねぇな…』
『征：ひとまずここから脱出するしかないな』
『ぷそこ：テレパイプも使えないよ…』
一気に不安が襲ってきたのでつい赤司くんの傍に寄ってしまうと、安心させるように背を撫でてくれた。
何が一番不安って、私がFoってことだよね！
(シャラ：あれ！？なまえっちたちログアウトしてる…？)
(DRAGON：いや、オフラインの欄にも名前が無いぞ)
(林檎：…おかしいな。あいつらにウィス飛ばそうとしてもPTチャットで表示される)
(テツ：何が起きてるんでしょうか)
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