1.スキンシップじゃなくてセクハラです

どうも皆様こんにちは。こちら霧崎第一高校男子バスケ部の部室です。

「おいなまえ、テメェドリンクおせぇんだよ。後ちょこまかすんな、視界に入ってうぜぇ」
「わかりましたわかりましたからどいてくださいぃ…!」

反省会という名のマネージャー(私)いびりタイムです。
花宮先輩は真って名前が嘘だと思えてしまうほどいたずらっこですね。
今も土下座してる私の背中にしっかり体重をかけながら乗っている所です。

いやぁ、今日も皆さんとの仲を深める為にスキンシップありがとうございます!でも重い!
他の先輩方もいらっしゃいますがさすが悪童の部下、見て見ぬふりどころか楽しそうにこちらの様子を見てはけらけら笑っていやがります。

「花宮は本当になまえが好きだな」
「あぁ、だからついこうやって厳しくしてしまうんだ…なんて言うわけねぇだろバァカ」
「ですよね!わかってましたよ!っていうか重いんですぅぅ」

床に手を突きながらしっかり花宮先輩の重みを受け止めていたがもう限界なので泣きそうになりながら叫んだらより一層体重をかけてきた。
本当もう私マネージャーだから筋トレとか必要ないと思うんですよね!

「ったく、明日も同じことしたら容赦しねーぞ」
「あ、ありがとうございます!」

溜息と共に背中にかけられていた重みが消えたので振り返ってお礼を言うと、先ほどまで密着していたんだから当然ではあるが花宮先輩の顔が近くにあった。
びっくりして飛び跳ねたら隣にあったロッカーに思い切り頭をぶつけてうずくまってしまう。

「大丈夫かよー」

けたけた笑いながら原先輩が手を差し伸べてくれて、やっと先輩の優しい部分が見れたと喜んでいたら思いっきり引っ張りあげられた。
当たり前のように原先輩の腕の中に納まってしまったので挙動不審になってしまっていたら、首元辺りに顔を埋めてきて匂いを嗅がれたものだから驚いて変な声が出てしまう。

「なまえいい匂いすんね」

相変わらず目元が隠れていて口元からしか表情は読み取れないが何言い出すんだこの人!
熱くなる顔を隠しつつ原先輩から距離を取ろうとしたら今度は誰かにポニーテールにしていた髪をがしっと掴まれて上を向かされる。
驚いて見開いた目には、木吉さんとか黒子くんとか熱血野郎と対面した時のようになんとも不機嫌そうな花宮先輩の顔が映った。

え、なに!?またお説教!?もう帰りたいのに!
とか怯えていたら、全く予想外の行動をされたので凍りつく。

「…汗くせーだけじゃねぇか、べたべたするし」

原先輩と同じように首元(っていうか胸元)に顔を近づけて、呆れたようにそう言った後首筋を触ってきたのだ。

乗っかられるのも、叩かれるのも、蹴られるのも慣れっこだけどこのいびりが一番心臓に良くないです!



(つーかブラ透けてんじゃん)
(ちょっとひっぱらないでください!)
(外しちまえよもう)
(これもうスキンシップじゃなくてセクハラですよね!?)


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