これの続き
※2周年記念スキンの台詞ネタバレありです、気をつけて



なんか数日前くらいに王子の毒舌が酷くなったみたいなことを思った気がする。王子は基本的には紳士だけど、たまに紳士の皮を被った何かというかなんというか…

二面性があるとはいえ、気遣ってもらえるだけましだと思う。要はツンデレ(?)である。厳しいツンを耐えた後には至福のデレが待っているんだ。ここがツンデレの醍醐味だと思うんだが、デレのないツンデレってもうツンツンだよねって話。
私に対してはツンしかない。労いの言葉とか、感謝の言葉とかが無い訳じゃないけど、ノイシュへの言葉と比べると明らかに心がこもってない訳でして。
もう何が言いたいかって言うと正直めっちゃ辛い。臣下として恥ずかしくないように出来る限り努めてるし、強くなったし、紅茶だって日に日に美味しくなってるし(多分)、王子の隣に…いや隣は臣下の立つ場所として相応しくないのですこし後ろに。一臣下として積める努力は積んできた。それは私の努力を一番近くで見てきたノイシュとヘルエス様も認めてくれてる。
これ以上何すればいいか分からない。女磨きか?可愛いは作れるってのはマジだと思うけど、すっぴんとか普通に見られてるし今更…ヘルエス様みたいな美人になりたいなあ。それか美味しい紅茶入れられるようになりたい。

「はぁ…美人になりたい…」
「私の前でため息をつくなとあれほど言ったのに、まだ解りませんか?」
「す、すみません…(王子の眉間に少し皺がよってる…大失態だ…)」
「それに、突然色気付いて…今までそんなことなかったのに、気持ちが悪い」

ほら!これ!なんですか気持ち悪いって!流石にこれ暴言でしょ!?こんなの私以外に言わないでしょ!?
そりゃ今まで男に縁の無かった女が突然見た目を気にし出したら驚くと思うけどさ…多分他の人なら「貴女にそんな気持ちがあったとは、驚きです」みたいな感じだよ!気持ちが悪いって言うのは私だけだよ、分かるんだからな!

「ひど…私だって30になるまで結婚したいですよ、願望無いわけじゃありません!」
「ノイシュは貴女に相応しくありません」
「王子、何を今更。ノイシュは旦那というか兄です、兄!兄にしたいタイプ堂々のナンバーワンです!」
「ならいいでしょう」
「というか話飛躍しすぎでしょう…私の好きな人がノイシュって訳でもないのに…」
「先程の話を聞くまでそう思っていました」
「は、はあ…」

ちなみに兄にしたくない人ナンバーワンは王子だ。私みたいなのろまは多分馬鹿にされるんだ…
というかそりゃ分からないかー、うん。上手く隠してるつもりだったけど、それはつもりじゃなかったみたいだ。よかった。

「王子、そういえば珍しい格好ですね。何処か遊びにでも?」
「近隣の国の娯楽施設に視察に行きます。そう言ったら、姉上にこれを渡されまして」

それを聞いてほっとした。夜遊びにいく人にしか見えなかったし。
視察に王子一人、そんな訳ないよな…ついていくのはノイシュ?ヘルエス様?ヘルエス様は先程の口振りからすると無さそうだが…大穴でユーリさん?うーん分からない。もしヘルエス様以外の女だったら?うん考えないようにしよう!それがいい!
王子に余計な虫がくっつきませんように、お願いします。

「帰ってきたのならばぜひ感想をお聞かせ下さい。頑張るもいいですけど、娯楽施設に行くからには多少息抜きしてきてくださいね?私からのお願いです!」
「そこまで言うのなら、節度を忘れない程度に楽しんできますよ」
「はい、是非!」

ついていく人羨ましいな…そもそも私こんなフォーマルなドレス持ってないし候補にすら上がる訳がなかった。ドレス買うかな…使う機会なんて年に一回あるかないかくらいだろうけど。
王子が楽しめるなら、それでいいか。少しだけ笑ってくれたし。王子が視察を楽しみにしてる理由は訊ねないことにしよう。デートとかデートとかデートとか、そんな感じのことあり得そうだし。
うん、泣きたい。

「そういえばこの日の買い出し当番私だ、そろそろ時間…王子、楽しんできて下さいね」
「えぇ、分かりました」



「ロザミアさん、行きましょうか」
「あぁ、メモは持ったか?」
「はい、抜かりなく!」
「ん?今騎空挺から出ていくのって、名前のところの王子じゃないか?あと、隣にいるのは団長か…?」


「さあ団長さん。夜の街にでも繰り出しましょうか。今夜だけは、姉上にもノイシュにも、他の皆にも内緒です」


「な、なんで泣いている?何処か痛むのか!?」
「無様な泣き顔晒してすみません…少しだけ、泣く時間、下さい」




タイトルは元英国首相ウィンストン・チャーチルの言葉から
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