いつも通り | ナノ
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嵐の前の静けさ


はあ...。
思わずため息が漏れる。
これまでで、何回目だよ...。
おっ俺そんなに!?そんなに、男から寄り付かれやすいの!?

前はいつ痴漢に遭ったっけ?
んん、昨日かも...。
もう!今日は痴漢に遭わねえから!
バックを持つ手をぎゅっと握りしめ、電車に揺られていた。

まあ、俺が少し蹴ったら帰っていたけどよ。
馬鹿だなー。

もう今日は、遭いたくねえなあ...。
ああ、考えただけで気持ちわりい。

てか、何で男なわけ?
そりゃ、可愛い巨乳の女の子が痴漢してくれたら、もちろん嬉しいけど。
よりによって、男...。
ああ、俺そんなに男にウケそうな顔してっかなあ。
もんもんと、色々な考えが浮かぶ。
朝からこんな考えをしている俺に、はあとため息が漏れる。

それにしても、人多いな。
いつもより、多い気が...。
今日何かあんのか?
狭いし、暑苦しい。
電車って俺は何か嫌なんだよなあ。
まあ痴漢に遭うからだろうけど。
こっちは、また朝から嫌な目には遭いたくないんだよ。

ふんっと息を鳴らして、バックを握りしめる。


♪〜
電車の放送が流れた。
あ、着いた。
よっしゃ...てか俺気にしすぎ?
でも明らかにあっちのおっさん、俺の事見てた気がするんだよなあ。

まあ、いっか。


ざっと一斉に進む波を掻き分けて、前へ進む。
...はーっ、疲れた。
でも何か今日はいつもと違うから、いいや。

あれ、考えがいったり来たりしてる。

結局どうでもよくなり、前を見て歩いた。
階段を降り、改札口を軽い足取りで出る。
...うん、今日は久しぶりに飲もう!

いつもなら暗い顔していたが、今日は笑顔で会社に向かった。


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