甘い憂鬱を君に | ナノ
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03


え、あ、えええぇ!?
びっくりしたー。
もしかしたら、今までで一番かも。

今までずっと立っていたせいか足の力が抜けて、へたと座り込んでしまう。
ああー、あれ...告白なの...か?

まじかよー、健人どうしちゃったんだろう...?
俺に告白だなんて。
今日、おかしいよ。



ううん......。

自分も...おかしいかも。


だって、顔の熱がまだ収まらない。
ほっぺたに手を当てて、うずくまる。

うん......親友だったんだけど、な。
ああ"ー俺らしくないっ!

これからは普通に接してくれる、のかな...?
でも、健人と話せなくなるのはやだなあ。

......まって顔収まって。
やばい。俺、おかしい。

もう〜〜!健人の馬鹿!俺こんなに悩んでるのに!
って好きみたいじゃん。
好きなの、かも、知れない。
なんか恋で悩んでる女子みたい...。

いや、笑えないよ。
自分自身に突っ込みをいれる。


...俺は健人と話せなくなるのは、嫌だよ。
心が霞む。

健人は俺と、どうなりたいの......?
握った手をもう一度握る。


うん、やっぱりいつも通りでいよう、かな。

少し顔を上げて前を向いた。
そこには青い澄んだ空が広がっていて。

「きれい」

ぽつりと呟いた言葉は、風に呑み込まれて消えていった。

健人、俺も好きだよ。
そう言えるまで、どれだけかかるかな。

...この想いはどうか、消えないで。


俺は立ち上がり、ぱたんと扉を閉めた。


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