11月お題 | ナノ


11月13日:真昼の月から勇気を貰う(AT:センププ)




「ねぇオプティマス。あいつまた見てるよ」
「ああ。知ってる」
「いい加減しつこいし、ストーカーみたいでキモいからボクが一言行ってこようか?」
「いや、大丈夫だ。自分で何とかするよ」
呆れた顔で遠くを指差すバンブルビーに、オプティマスは苦笑いを浮かべてやんわりと断る。
指差す方向を一瞥すると、確かに奴はいた。最近、視察と称して地球のオートボット基地を訪れている親友のセンチネル。
その彼は何をするでも無く物陰に隠れてただひたすらじっと。
じっーーーと。
無言で自分を見つめているだけなのである。
そんな事がもう一週間も続いているのだ。いい加減嫌にもなってくる。
何か言いたい事があるなら目の前で言えばいいものを、何ゆえ物陰に隠れてただ見つめるだけなのか。
親友ながら謎の行動をする意味が分からない。
「てゆーか、何かラブレターを渡したいけど恥ずかしくてなかなか渡せない女子中学生みたいだよね〜あれ」
「女子中学生って…どこでそんな情報を知ったんだ?」
「こないだサリと初恋ものの恋愛映画を見たんだ!ちなみに告白は校舎の裏が鉄則なんだって!」
「そ、そうなのか…でもあのセンチネルに限ってそんなロマンチックな真似をするとは思わないが」
「いや分かんないよ〜!あーゆー奴に限って予想外の行動したりするから!気をつけてねオプティマス!」
「ハハハ…スパークに命じておくよ」
やけに力を込めて断言する部下に気圧されつつも笑いながら了承した。
ちなみに視線はまだ止まない。
背中にチリチリと感じるこの奇妙な感覚は一体何なのか。いい加減、センチネルを捕まえて問いただす必要があるだろう。
逃げ回るようであれば、直接エリートガードの船に乗り込んでセンチネルの自室に突撃してやる。
面倒だから逃げてくれるなよ、とオプティマスは親友に祈った。


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