TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月1日:愛の花を後ろ手に隠して(ATセン→ププ)



有機物は大嫌いだし気持ち悪いから触りたくもないし、第一人間共が好む花のサイズは俺達に小さ過ぎるだろう!
…そう言って何でも造れちゃう困った時のパーセプターとホイルジャックに地球の花と呼ばれる植物を、俺権限で研究予算を捻るからTFサイズの造花を1つ作ってはくれまいか?と頼んでみたところ、以前から地球の植物に興味があったらしい二人はオプティックを輝かせて快く了承してくれた。

「で、どんな造花を作ればよろしいので?」
「あ、あー…まずはこの花の写真を見てくれ。薔薇っつー花らしいんだが、これをTFサイズにまずは12本造って俺に渡してくれ」
「12…ですか。構いませんが、観賞用としては少なくないですかね。12という数字に何か特別な意味があるので?」
「べ、別に意味なんてねーよ!余計な詮索はいいから早く造ってくれ!予算は弾む!」
「はいはい了解です」

飄々と対応するホイルジャックの態度に少しムッとする。
仮にもエリートガードに対する態度じゃないだろ!と怒鳴りたかったが、なんだかんだで世話になっているパーセプターの手前ぐっと堪える。
とにかくだ。これであいつに渡せる造花がゲットできるぜ…と内心ホッとしていたら、何やらニヤニヤと(常時マスク装備だが、何となく雰囲気で分かる)意味深げにオプティックをチカチカ点滅させてホイルジャックが俺を見ていることに気が付いた。
いくらKYな俺でも雰囲気からして不愉快な想像をしているのが丸わかりだ。
俺はジロリと細目で物好き爺ィを睨み付けると、ホイルジャックはそれ以上突っ込みませんよと言わんばかりに肩を竦めた。
まあ別にいい。
造花が出来てからが本当の勝負だからなぁ…こう言ったことは、いつだってあいつは鈍感野郎だし、いっそ花だけじゃなくて高純度エネルゴンオイルとか持って行くか?

「一体センチネルはどうしたのですか?さっきから更年期の熊みたいにグルグル回っていますよ、ホイルジャック」

顎に手を当ててあれこれプレゼントを考えながら唸るセンチネルを、不思議そうにパーセプターは眺めていた。
はてさて、パーセプターも若い癖にこういった恋愛沙汰は疎いらしい。
老婆心に勿体無いなぁと残念に思いつつ、パーセプターの肩に手を置いて万人が納得できる答えを出してやる。

「それはねパーセプター君。あれは昔苛めた好きな子を何とかして振り向かせたいから必死で素敵なサプライズ的贈り物を考えている一途で哀れな片想いさ」

(終)


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