TFADV短編(10月お題) | ナノ


10月11日:光あふれる雨上がり(TFPマグ→ホイ♀)



*TFPマグ→ホイ♀

雨上がり。灰色雲の隙間から差し込んだ陽光の下にホイルジャックとウルトラマグナスは佇んでいた。
互いに向かい合いながらーーと言うよりは、不意打ちのように顔と顔がくっ付いていると言った方が正しいだろう。
もっとぶっちゃけて言えば、身を屈めたウルトラマグナスがホイルジャックにキスをしていた。
硬直しているホイルジャックの頬から水滴がぽたりと流れ落ちる。
ふと合わさった唇が離れた。自分を見下ろすウルトラマグナスは相変わらず何も喋らない。言い訳すらもなく。
しかも両腕を掴む手は離してくれそうになかった。それどころか痛いぐらいに握る力は強くなり、ホイルジャックは思わず顔をしかめた。

(これは参った。まさかこの堅物がこんな真似をするとは考えもしなかった…)

心の中で舌打ちをする。
自分が彼に女性型だと知られたのはいつなのかは知りえないが、1つだけ忘れていたことがある。
ギラギラと劣情に揺れ動くオプティックを見ながらホイルジャックは自嘲する。

(ああ、アンタも確かに《男》だったんだな)

それは確かに男が女を欲望の対象としてみる時の顔だったから。



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