TFADV短編 | ナノ





お菓子をくれないと悪戯しちゃうぞ!…あれ?(ハロウィンギャグ)



爽やかな朝にその騒動は起きた。

チュドーン!!

と、スクラップ工場の片隅で爆発音が鳴り響き、ストロングアームのヒステリーな怒鳴り声と爆笑するサイドスワイプの声が響き渡った。
はて。起きたばかりのオプティマスは声の方へ視線を向けると、ストロングアームが全身泡だらけにーー見るからに消化剤だろうかーーなりながら鬼の形相でサイドスワイプを追いかけ回しているのが見えた。
犯人はまあ、状況から見ても爆笑しながら逃げているサイドスワイプだろう。しかも何故か、両脇にグッタリと項垂れているスリップストリームとジェットストリームを抱えている。
よく見れば、二人のマイクロンは何やら人間が着る仮装のようなものを身につけている。

「ああそうか、確か今日はハロウィンだったな」

なるほどとオプティマスは納得する。
そう言えば最近ラッセルがハロウィンについて熱く説明していたなぁと微笑ましくなりながら広場へ歩き出した途端に、

ドーン!!

「逃げるな貴様らーーー!!」
「「「ギャアアアーーー!!」」」

突然ラチェットの怒号とグリムロックとラッセル、フィクシットの悲鳴が広場から響き渡った。
何事かと慌てて現場に駆けつけるオプティマスのすぐ横を脱兎の如く走り去るグリムロックと、グリムロックに抱えられているラッセルとフィクシットの姿があった。
やはり二人ともハロウィンの仮装をしている。
何故かグッタリした表情で抱えられているが、その三人目掛けて手裏剣のように後方から飛んでくるスパナを見たせいなのかもしれない。
その内の一本がこちらに向かって飛んで来た。
オプティマスは慌てず騒がず、パシンと右手でスパナを受け止める。
ハァハァとスパナを片手に鬼の形相で走って来たラチェットは、オプティマスを見た瞬間呆気に取られた顔で足を止めた。
頭から虹色の塗料をひっ被っているラチェットを見たオプティマスは思わず吹き出してしまったが、直後にもう一本スパナが飛んで来たのを見てとりあえず自分も回れ右して逃げることに決めた。


(終)

8



目次 MAIN




×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -