TFAの森 | ナノ





3.釣った獲物は大きかった(ププ+ジャズ+センチ+?)



「うーん…今日も良い天気だ」

玄関を開けたオプティマスは爽やかな朝の陽射しにオプティックを細めた。
そんな彼の両手には釣り道具とバケツが装備されている。
昨日、ジャズとセンチネルに釣りに誘われたのでこれから海岸に行くつもりなのだ。
釣りは初めてだが二人が丁寧に教えてくれると言うのだからなんとも心強い。

「沢山釣れるといいな」

ワクワクしながら玄関の鍵を閉めて、軽い足取りで海岸へと歩き出した。


オプティマスが海岸に着くと既に浜辺で竿を投げているジャズとセンチネルがいて、此方に気付くと手を振ってきた。

「よぉ。おはよーさん」
「おはよう、オプティマス」
「おはようジャズ、センチネル。魚は釣れているかい?うわぁ…大漁じゃないか!」
「今日はスズキとタイがよく釣れるぜ。お前も竿投げろよ、ほら教えてやるからこっちに来い」

機嫌良く来い来いと自分の左隣に手招きするセンチネルにジャズは呆れた。
自分をハブにしてオプティマスに付きっ切りになりたい魂胆だろうが、そうはいくか。

「オプティマスは初心者だから私達の真ん中に来るといいよ。その方が教えやすいしね」
「な、ちょっ」
「そうだな、ありがとうジャズ」

真ん中に来たオプティマスはジャズに指導されながら釣竿を振りかざして海に投げる。
仲睦まじい二人をセンチネルは恨めしそうに睨むが、ふと竿が引いているのに気付いて慌ててリードを巻き上げた。
今だ!と勢いよく引き上げると立派なヒラメが釣り上がり、オプティマスは拍手喝采する。

「すごいなぁ!センチネルは釣りが上手いんだな!」
「そ、そうか?いやそれほどでも…ねぇけどな〜。こんぐらい軽い軽いっ」

褒められて気分が良くなったセンチネルは自慢げにヒラメを見せびらかす。

「(デレてる…)あ、オプティマスのも引いてるよ?」
「あ、本当だ!うわ、結構強い…!」

慌ててリードを巻き上げるが、予想外に力強く逆に海に引っ張られそうになる。
何故か竿が重い。思わず転びそうになるが背後からジャズが抑えてくれた。センチネルも加勢して竿を引っ張る。

「重い!なんだこりゃ!?カジキでも掛かったのか!?」
「これ竿が折れるんじゃ…」
「とにかく巻いて巻いて巻きまくるんだオプティマス!」
「わかった!」

オプティマスは力を込めて高速でリードを巻き上げる。
獲物が浜辺に近付くにつれて重さが増して来たが地面を踏ん張って耐えた。

「よっしゃあ!今だ引き上げろ!」
「うおおー!!」

センチネルに促され、勢いよく竿を跳ね上げたオプティマス達が見たものは…何故かクロマグロにしがみ付いたウルトラマグナスだった。

「「「ほああああーー!?」」」
「何だ、やはりお前達か」
「う、ウルトラマグナス!?何でこんな所に!?」

老人の飄々とした態度に若造三人はどこからどう突っ込めばいいのか分からない。
そんな空気などどこ吹く風で前村長のウルトラマグナスは脇にクロマグロを抱えながらのっそりと海から上がって来た。

「ちょうど素潜りをしていてな。獲物を探していたら目の前に美味そうなクロマグロを見つけたんで、追い掛けていたらこんな所まで来てしまった」
「え!南の島から泳いで来たんですか!?17kmはありますよ!?」

「夢中だったから気にしていなかったな。ハハハハ」

爽やかに笑いながら言うウルトラマグナスに若造三人は絶句するしかない。

「あ、相変わらずだな。全然隠居してねぇし」
「お、お久しぶりです」
「おお、オプティマスか。ちょうどいい、就任祝いにこれをやろう」

まるでお菓子のお裾分けのような気楽さでクロマグロを差し出され、オプティマスは仰天した。
「ええ!?でも、こんな高そうなクロマグロ頂けません!」
「釣り上げたのは君だろう?」

恐縮して返そうとするが、いいからいいからとさらに押し付けられてしまい最終的にオプティマスは諦めた。
何度も礼を言ってクロマグロを受け取る。

「まああそこまで言うならいいんじゃね?ありがたく貰っとけよ」
「でも、魚の捌き方を知らないんだ」
「じゃあ私が捌いてあげるよ。お昼は豪華な刺身の舟盛りだね!」
「やった!じゃ俺ビール持って来るわ!」
「あ、もしよければウルトラマグナスもお昼ご一緒しませんか?」
「いいのか?ならばお邪魔させてもらおうか」
「ちなみに帰りはどうされるので?」
「もちろん泳いで帰るが?」
「…そうですか…」

野性味溢れるパワフルな前村長を改めて尊敬するジャズだった。

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