TF 100題 | ナノ





0051:外せる首輪より隠せない所有印(メガププ)



この世で一番愛おしい存在を自分だけのものにしたい。
まずは手錠。決して抗わないように両手を縛り付ける。
次は首輪。その首に所有の証を刻み付けたい。

「どちらがいい?」
「どれも嫌だな…。私はお前のペットじゃないんだぞ」

玉座に座るメガトロンの上に座らされ、腰を摩る大きな手を気にしながらオプティマスはメガトロンを見上げた。

「それに、心配しなくても私はお前以外に奪われたりしないさ」
「分からぬではないか。お前の周りは邪な者共が多過ぎる」
「不安なのか?」
「…まあな」
「まさか私が浮気をすると疑っている…?」
「絶対とは言い切れん」
「何だそれ。私が信用出来ないのか?メガトロンらしくないなぁ」

オプティマスは苦笑する。メガトロンはムッとしてその顎を掴んで上向かせた。
顔と顔が触れ合う程に接近した。赤いオプティックがじっと睨めつける。揺らめく光の中に、微笑を浮かべている顔が写っていた。
そして両者は見つめ合ったまま動こうとしなかった。
何かを探るような視線を交わしたまま時間だけが静かに流れてゆく。

「…オプティマスよ」

痺れを切らしたようなメガトロンの声に思わず笑いそうになる。

「何だい?」
「何故キスをして来ない」
「そっちこそどうしてしてくれないんだ?」
「たまにはお前からしてみろ」
「うーんどうしようかなー。メガトロンがキスしてってお願いしたらしてあげてもいいけど…」
「………」
「どうする?」

して欲しいが、口にするのはプライドが許さないのかメガトロンは黙り込む。なんだかいい気分だ。オプティマスは言わなきゃしてあげない、と笑いながらメガトロンの頭を両手で挟むと、おでこに当たる部分に唇を当てた。
チュッと軽く触れた後に舌で舐め上げる。冷たい金属の味がした。何回か繰り返しているがメガトロンは特に嫌がる様子は無い。
それに気を良くしたオプティマスは、オプティックや頬、更に顎や胸に唇を寄せた。
所構わずキスの雨が降る。正直堪らないのだが、やはり本音は唇にして欲しい。
時折、上目遣いで見上げるオプティマスの狡猾さが憎たらしい。不敵に笑うその口を今直ぐ塞いでやろうかーー
………もういい。負けを認めよう。

「オプティマス、キスをしてくれ」
「喜んで、メガトロン」

あっさりと唇を合わせたオプティマスをしっかりと抱き締めた。熱く排気しながら舌を挿れて口内を貪り合う。

「んっ……ふ、ぁっ…」
「今日はやけに積極的なキスをして来るな?」
「首輪や手錠は無理だが、せめて体に刻み付けたいんだ」
「可愛いことを言ってくれる…」

オプティマスは頬を染め、そっと胸元に寄り添う。メガトロンに優しく頭を撫でられ心地良さにオプティックを閉じた。


(終)

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