*下ネタ注意。
「雨の日は雨宿りを口実にホテルセックスの成功率が上がるらしいぞ」
「…誰から聞いたんだ?そんな情報…しかもセッ…………急に何を言い出すんだ何を!?」
「変な所で初心だなオプティマス」
青い顔が羞恥で真っ赤に染まる様子を、メガトロンは楽しげに眺めていた。オプティマスは文句を言いたげにキッと睨むが、これと言って会心の一撃が言葉に出て来ずモゴモゴと口ごもるだけで終わった。
二機が今居る場所はメガトロンの自室だった。招かれたオプティマスはメガトロンと向かい合わせになるように座らされ、しばらくは猫を可愛がるかのように優しく顔を触れられたり、腰を撫でられたり。
時々、ふと顎に指が添えられて引き寄せられると唇が重なった。
今もまた、気まぐれの接吻を受ける。
「ん……」
「たまにはこんな過ごし方もいいものだ。お前を存分に堪能出来る」
「今日は朝から大雨のせいでどこにも行けないだろう?本当なら今朝帰るはずだったのに、こんな日に限って山道が土砂崩れで通行止めになるなんてなぁ」
「だが、我はそのおかげで今幸せだぞ?」
「…私は今皆への言い訳を必死で考えているよ。特にラチェットに会うのがすごく怖い」
「ククク」
鬱々と言い訳を考えるオプティマスを抱き寄せ、首筋に顔を埋める。少し歯を立てて噛むとビクリと小柄な機体が跳ねた。
噛んだ痕を強く吸い、舌で舐めるとさらに敏感に跳ね上がる。
「ん……っ」
「敏感だな」
「〜め、メガトロン、またするのか?」
「嫌か?嫌なら止めるが」
「…嫌じゃないさ」
執拗な愛撫を受けながら、オプティマスはふふっと笑って腕を伸ばす。首に絡めてメガトロンを捕まえると、今度は自分から引き寄せて唇を重ねた。
無言のOKの合図にメガトロンはほくそ笑む。
「本当にいいんだな?」
「雨だから…少し気が緩んでいるのかも知れないな」
「ならば今日一日中抱き潰してやろう。どんなに抵抗しても陵辱して最後は泣き叫ぶぐらいになァ?」
「う、それはちょっと困るんだが…出来ればお手柔らかに頼むよ」
苦笑するオプティマスをしばらく無言で
眺めるメガトロンは、急にふと真顔になった。
…完全に自分を信頼して緩み切ったオプティマスを見ていると、時折スパークの奥底から湧き上がって来るものがある。
ディセプティコン本来の残虐さが。
「どうした、メガトロン?」
不思議そうに聞いてくるオプティマスをメガトロンは内心愚かだと嗤う。
「前から聞きたかったが、オプティマスよ…我はお前にとって何なのだ?」
「え…?何って、お前はメガトロンだろう?」
「確かにそうだなァ。そして我はお前の恋人でもあり、友でもあるがー」
「メガトロン…?」
「忘れてはいまいか?」
優しい口調とは裏腹に、獰猛に光るオプティックの赫色に鋭く射抜かれたオプティマスは思わず息を飲んだ。
「我は破壊大帝だ」
「ーーーーっ!?」
驚くオプティマスの機体を乱暴に突き飛ばし、素早く組み敷く。
強い力で両手首を掴み上げ頭上に押さえ付けたメガトロンは、突然変貌した自分に怯えているだろうオプティマスを酷薄な笑みを浮かべながら見下ろす。
「たまには貴様を手酷く犯したくなるのよ……特にこんな雨の日は」
恍惚とした表情で赫いオプティックを細めるメガトロンを、オプティマスは絶句したまま見上げていた。
(終)