平凡生徒会庶務誕生!(嘘から)


注・この話は『もしも真言が芳野宮と一緒に生徒会入りしてしまったら』のifです。本編には全く関係ありません。


……俺の名前は白河真言。特徴も特にない、平凡ないち男子高校生だ。父親の再婚をきっかけに、独り立ちの予行練習のつもりで全寮制の学校に入ったのだが、……この高校、エスカレーター式のせいか、生徒はなんだか特殊嗜好……とにかく美形信奉みたいな風潮があった。例えて言うなら俺の同室者の初狩みたいな、どこから見ても美形、って感じの生徒をアイドルみたいに扱う、みたいな。とはいえ、それは俺みたいな平々凡々には関係のない話、と、思っていたのだ、……、



……が。



×××



「……、」



――一般校舎の奥、あからさまに他とは違う豪奢な作りの扉の前の廊下に、俺は立ち尽くし途方にくれる。重苦しい扉の前には何人かの上級生、……あれが悪名、……じゃなかった、名高い生徒会親衛隊だろう。他の生徒とは明らかに違う整った容姿にピンと伸ばした姿勢は、明らかに他を見下し、……じゃなかった、威圧した雰囲気が漂っている。何だか地獄の門番、みたいな雰囲気に俺は飲まれそうになるが、とりあえず呼ばれた以上は行かねばならない。覚悟を決め、俺は門番、……もとい、生徒会親衛隊に話しかけた。



「……あの、すいません」
「……なんだ」



俺が話しかけた途端、ギロリ、と門番は俺を睨み付け、そしてすぐ不審人物を見るような表情を浮かべた。……それはそうだろう、俺はどう見ても平々凡々の極みといった男だ。生徒会に関係あるとは到底思わないだろう。でも、俺はここに用がある。……なぜなら、



「あの、俺、白河真言っていいます。……生徒会ビンゴで庶務に任命された、」
「……」



俺の言葉を聞き、生徒会親衛隊は今度はうさんくさそうな瞳で俺をみる。それに辟易しつつ、俺はあの日、生徒会庶務に任命された日の事を思い出す。



入学式の後に行われた、生徒会主宰の新入生歓迎会でやった、景品つきのビンゴゲーム。1名限定で特別景品が当たるって事で、その場はかなり盛り上がり、そしてなんと運よく俺が一番にビンゴした。どんな景品がもらえるんだろう、とワクワクしていたら、なぜか俺が当てたのは『生徒会庶務』という役職だった。生徒会?またなんで、と思って俺はキョトンとしてたけど、回りの反応は半端ではなかった。それがみんなに告げられた時のどよめきとため息、俺に対する羨望と嫉妬の視線、――その時の俺はこの学校の生徒会というものがどういうものか知らなかったから、ただただ呆然としてたが、そんな俺に一人の生徒が肩を叩いてきた。

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