そういえば、こないだのお土産渡してないなーと
仕事終わりであろう時間を見計らって待ち伏せした。
「遥っち…」
着替え終え、出てきた彼女に手を挙げようとした時…
「遥!」
男性が彼女に駆け寄る。
『ごめんね、待たせて』
遥は見たこともない
笑顔を向けて、男性と歩き始めた。
「そういう、ことっすか」
そりゃそうだ、こんなにアタックしたって無理なものはムリだ。
「…あんな笑顔初めて見た」
一人、久しぶりに悔し泣きをした。
彼女は思わせぶりな態度を一度もとらなかった。
いつもありのまま、素っ気なかった。
勝手に舞い上がって
勝手に落ち込んで バカみてぇ。
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