那月の足は無事だった。
那月は身長の割に軽く深くは刺さらなかった為らしい。
那月を病院に連れてって以来会ってはない。
会うのが怖いから。
でも、今日退院だから会わなければそして謝って別れるんだ。




「しょーちゃん。」



「那月……。」


「しょーちゃん、僕気づいたんです。僕の世界はしょーちゃん自身だって。」


「ぇ…?」


「だって、僕の世界は壊れなかった、いや壊せなかったんですもん。」




那月の世界は俺自身。
那月の中には俺しか居ない?




「那月…愛してる」


「やっと、言ってくれた。僕も愛してます。」




また涙が溢れてきた。
別れるなんて俺らには無理なんだ。
俺も気づいたよ。
那月は俺しか見えていない。
俺も那月しか見えない。



「那月、帰ろう俺らの世界に。」


「はい。」







end

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