I had a strangedream last night.






諸々の犯してきた罪とか、他人にさせた嫌な思いとか

すべて棚に上げ腐って、まるで自分が聖人君主のような顔をして

『俺の進んできた道は間違っていない』

『正義を正しいと思える芯の強さを持っている』

みたいな御託を並べ立てるお前が、とても嫌いだ。



桐生一馬。



殺したくて、大嫌いで、反吐が出るほど嫌いだ。



10歳の時、両親が首を吊った。

その頃のまだ足らない頭でぼんやりと、お金がなかったからなぁなんて考えていた。

小さな飲食店を営んでいた両親はどうも毎日喧嘩ばかりだった気がする。

ずっと幼い頃は幸せで、よく遊園地なんかにも行ったものだが

小学校に上がってから両親が眠っているところを見たことがない。



私立の小学校に入れたかっただの

もっといい服を着せてあげたかっただの

母が夜な夜なこぼすのを、父は黙って背中で聞いていた。



幼心に、何かとても険悪なムードが漂っていることを感じた。

必死でフォローする私の空元気は、よりそのムードに拍車をかけるだけだった。



火曜日の午後の授業中だったと思う。

当時担任だった若い女性教諭が顔色を変えて飛んできて、私の名前を呼んだ。

『なまえちゃん!! ご両親が首吊って死んだって!!』



若い女性教諭。

世間を何も知らなかったのだろう。

クラス全員の前で暴露され、帰宅すると両親は死んでいた。

遺体を拝ませてはもらえなかった。



次の日から、あだ名が『首吊り』になった。









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