勉強会はとりあえず成功と呼べたらしい。

桐生が遥を迎えに来た夕方から数日が経ったある日

仕事中のなまえの携帯に大吾から着信があった。



『助かったよ、桐生さんも礼を伝えてくれってさ。』

「そう、そりゃ良かった。」



私たち何の役にも立ってないけどねと笑いながら付け加えると

大吾は曖昧に返事を濁して受け流した。

遥は峯の用意したDVDを真面目に視聴し、楽しみながら歴史を学んでいるとのことだった。



『でもさ、あさがおってテレビ1コしかねぇんだよ。』

「へぇ、そうなんだ。」



肩に携帯を挟みながら、右手を伸ばして珈琲を手に取る。

今、あさがおでは上杉が熱いらしい。



『なんか桐生さん、お館様って呼ばれるって困ってた。』

「ぶふッ!!」



口に含んだ珈琲を吹き出しそうになって慌てる。

PCの上にまき散らす事態は回避できたものの、鼻にちょっと入って痛かった。



「それ良いね、めっちゃ似合う。」



電話の向こうで笑う大吾が同調する。

引き受けたもののいいトコ無しだった大吾が力なく笑っているのが少し哀れに思えて

大吾も別に、殿とか似合うと思うよとフォローしておいた。












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