このゲームはだいたい20年もやれば、大方最終的な勝敗が見えてくる。

峯は意外にも2位に甘んじていた。



「辰雄、すごいじゃん。1位独走状態。」

「まぁ毎回あんだけ目的地近ければなぁ。」



現在トップを走るのは品田だった。

コツコツ財テクを駆使して資産を増やす峯と違い、辰雄は目的地一番到着で稼ぐタイプだった。

すでに5回連続で目的地に到達した彼の資産は、1兆を越えようとしていた。



「でもさぁ、これさぁ、ゲームなんだよなぁ…って。」



ぽつりと遠い目をした品田が漏らす一言に、誰も反応出来ずにいた。

品田が1位である要因は他にもあった。

1度もボンビーがついたことがないのである。

もしかしたら無意識に、品田にボンビーをなすりつけることを避けているのかもしれない。

だって、なんだか洒落にならない。



「いや、でも東城会六代目会長が最下位って。」

「やべぇよ、俺、借金塗れだよ。」



基本的にボンビーとお友達な大吾の負債は100億に近い数字になっていた。

ちらりと峯を見遣って、嫌な予感がした。



「あの100億がありゃあ、こんなことには…」

「いや、桐生さん悪くないから。」



トップ品田、2位峯、3位なまえ、4位大吾のまま、ビールの空き缶は確実に増えていった。












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