=第一の寵姫(5)= 「ぁ、やぁあっ、あッぁん…ぁあああッ」 気を抜けばすぐに意識を飛ばしてしまいそうな程、極限まで高まった熱。それをやり過ごす余裕など、**が持ち合わせているはずもなく。引き締まった美しい背筋を弓なりにしならせ、ビクビクと痙攣を起こすのは何度目か。 「……おい、また勝手にイッたのか?」 「…ん、ぁ…やあッ…!」 何度も繰り返し迎える絶頂。元々の感度の良さも手伝ってか、敏感になっている躰はほんの少しの刺激にさえも声を上げる。それを分かっているからこそ王は達したばかりの**の躰を容赦なく責め続けては、その様子を愉しむのだった。 こうして王がカトレアを抱くのももう何度目か―…数えるのも億劫なほどに幾度となく重ねてきた躰と歳月。このハレムが出来て早五年、閨に呼ぶ女たちの中でも長い付き合いだと言えよう。 そしてどれほど月日が経とうとも、与える刺激に素直に反応して甘い声を上げる、**の変わらぬ姿。 それは、大切な何かを失ったままの手のひらが虚しく空を掴むだけだったとしても―…変わらず其処に在り続ける日常。 「お前は…昔から、変わら…っないな」 自身を包み込む膣内の締めつけに促されるように、王の抽送は激しさを増していく。熱い杭は、言葉にならない声を上げ続ける**の肉襞を掻き分け、子種を植え付けるように叩き込んだ最奥で爆ぜた。 「…っ、クッ…は、」 「ぁ、ん…ぁあ、熱い…」 どろどろに溶けた膣内は深く突き挿さった肉棒を放すまいと収縮を繰り返す。そうして**が生涯でたった一人愛した、そしてこれからも愛していくであろう―…男が注いだ白濁を一滴たりとも零さぬように、大切に大切に飲み込んでいった。 愛するこの御方とわたくしを強く繋ぐ、唯一無二の証が欲しい。 ぼんやりと霞む頭の片隅で、それでも強くはっきりと浮かび上がる**の想い。上気した頬をつぅ、と流れ落ちる彼女の涙の理由は―…強すぎた快感からか、それとも…。 この濡れた粘膜が乾くまでは… どうか、傍にいて欲しい そしていつか月の光なんかじゃなく あたたかな貴方の腕の中で 輝く朝日を迎えてみたいのです それが愚かなわたくしの、ささやかな願い 誰にも明かすことのない胸の奥底。不安、嫉妬、恐れ、劣等感―溜まりに溜まった澱は、時に気丈なカトレアの心を濁らせていく。 それでも尚、真っ直ぐに求め続けることを止められないのは、その澱の上澄みがどこまでも透明で透き通っているからかもしれない。 ***** 「第一の寵姫」 (written by 小鳩/slow pain) |