このアラサーは花散らしながら何を言ってんだろう。バスケとバレー、両方すればいいって何のこっちゃ。

というのが顔に出ていたんだろう。
武ちゃんはあのですね、と内緒話をするかのようにグッと顔を近づけた。

「白瀧くん、今君はバレーがしたい。というならせっかくだからバレー部に入っちゃったらどうでしょう。何かをしたい、という欲求は何かをするにあたってとても重要です。大事です。」

だってしたいという思いがないとそれは続きませんし

という武ちゃんにふんふんと頷く。

「で、バスケですが。
この烏野高校では兼部、というのは聞いたことがありませんが、助っ人というのは認められています。」

ちょっと武ちゃんの言葉に目からウロコなんだけど!助っ人てwwその手がww


「ただ……、あっ、この場合バレー部に入ったら、という話ですが…。もちろん助っ人ですので本命はバレー部という事になります。ですので大会や合宿が被った場合バレー部優先になります」

まあ、それはそうだろー
所詮助っ人は助っ人だ。
部員ではないのだから仕方ない。

「白瀧くんの入学試験結果を見たことがあるんですが、白瀧くんは進学クラスに入れる程の学力がありましたので学習面での心配はありませんし……」

どうでしょう、と武ちゃんはきく。
ピッ!と笛の音がきこえる。

「俺は両方できておもしろそうだからそう出来るならそうしたいなーと思うけど、武ちゃん堤んに何か言われない?」

「えっと……?どうして堤先生が?」

「武ちゃんが言ってたじゃーん。全中3連覇したバスケ部員って。それで堤んバスケ部顧問だからメッチャ誘われるんだよー」

今人数ベンチ入れてもギリだからーって疲れるのよーあれー。ジロちゃんもいるしねー、そう強気に断れなくって。やりたいけど強制的にやらされるのは違うジャン↑?

と言うとあはは、と武ちゃんは苦笑い。同じ先生でしょー!と言いたくなるが先生にも色々いるよね、て思います。

「なら、なおさら白瀧くんは1つの部活だけに囚われずやったがいいです。やりたいんでしょう?」

バレーも、バスケも。

グッと俺の目を逸らさずに力強く見つめるその瞳に手を伸ばせ、諦めるなと励まされる。

こりゃまためんどい選択をしたもんだなぁ

バレーとバスケ。
新しく始めることと続けること。
バレー部員も覚えなきゃだし、ルールある。
やる事は沢山あるなぁ

やる事を頭の中で順序立てながら考える。

「そう難しく考えないで、白瀧くんならできますよ。頼まれた時にやればいいくらいに考えといて大丈夫じゃないですか?」

「そうだねぇ。じゃあ武ちゃん、近く入部届け出しに来るねー」

これからを考えた結果楽しむしかないと思うとニヤッと笑ってしまう。

それに武ちゃんもお待ちしています!
と胸を張りトン、と叩いた。

「繋心、武ちゃん、とりあえず今日は帰る。
俺がするべき事はここにいても出来ないし」

試合を見ていた繋心と武ちゃんにそう声をかける。武ちゃんははい、と了承してくれたが、話を聞いていなかった繋心はもう帰んのかよ!何もしてねーじゃん!と慌てた。

「繋心、とりあえずもうちょっと待ってよ。
バレー部入るとしてもド素人が入っても戦力にも何もなんないでしょー?」

「ま、まあそうだが……」

「いやでも、バレー部としては初心者でも大歓迎なんですが」

「んー、まあそうなんだろうけど。俺の気持ちがそうもいかないからさ、バレーに詳しい人に宛があるから入る迄に翔陽位にはなっとくよ」

バレーのコートを見つめて繋心を見る。

「そうですか。白瀧くん、GWに合宿がありますが来れそうですか?」

「んー、じゃあそれまでに入部届け持ってきます」


繋心は目を見開いて俺を見たけど、じゃあまた、と言って体育館を後にする。

ああ、楽しみだ
アレをまず止めよう
攻撃の軸なら潰せばいい

はた、と考えるがそういえば俺そうなるとアイツらとチームメイトになるから止めたってダメじゃん笑

頭の中でシュミレーションをしてみるが止めた。とりあえず、まずはあのコートの幅とルールとポジションを叩き込もう


これから楽しみだなぁ






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