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 「ずっと思ってた。どうしてあなたは、そうやって人を責めるんだ? いつもいつもそうだ」



 ――違う。おかしい。


 僕は一体、何を言っている?

 
 「なんでもかんでも、人のせいにして楽しいか? そもそも、父と別居したのだって、姉が出て行ったのだって、人を責めてばかりいるお前が悪いんじゃないか」

 
 ――違う、違う、違う。

 
 
 僕が本当に言いたいのは、こんな汚いことじゃない。

 母を心の底から安心させてあげられるような、綺麗な言葉だ。

 

 ――さぁ、もう一度、深呼吸をして。


 「僕は、母さんなんてほんとは嫌いなんだ。顔を見ると吐き気がする。ほおっておいてくれないか?」


 ダメだ、コントロールできない。

 これは、確かに僕の体だ。

 ただ、操縦席にいるのは、紛れもない別人。

 そうでなければ、こんな汚い言葉を母に浴びせるわけがない。



 

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