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 気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。



 無くなればいいのに。



 消えればいいのに。




 ――何が?






 はっとした瞬間、視界のピントが合った。

 先ほどまでスマートフォンに視線を落としていた彼女が、なぜか怯えの色を浮かばせた瞳でこちらを見ている。

 原因は定かではなかったが、その瞳に見つめられることに何だか居心地の悪さを感じて、僕は彼女から視線を外した。

 それにしても、先ほどのあれは一体何だったのだろうか。

 聴こえたのは、僕のものであって僕のものではないような奇妙な声だったように思う。

 僕が発しているはずなのに、まるで誰かから発せられている言葉を聴いているような不思議な感覚。

 僕は、小さく身震いした。
 
 考えるのはやめた方がいいかもしれない。

 どうせ結論は出ないだろうから。

 そんなことよりも、明日の授業内テストをどうやって乗り切れるかを考えなければ。

 すっかり女子高生の存在は忘れ、僕は目を瞑って電車に揺られることにした。




 

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