Dear MY BEAR「ねぇ、ギュッてして」
「ん?ああ」
ギュッて抱き締められるのがいちばんスキ
一番安心できる場所。
それは、彼の腕の中。
私はそれを知ってるから、少し寂しくなったり、辛くなったり、怖くなったり、切なくなったりするときには必ず彼に"ギュッてして"とねだる。
あと、彼を恋しく思ったり、彼に触れたいとき。
そうしたら、黒鋼は私を包み込むように逞しい腕で抱き締める。
「今日は何だってんだ」
「いい匂い」
「匂い?」
「黒鋼の匂いを嗅ぎたくなったの」
「変態か」
彼の胸に顔を埋める。
ふわりと香る匂い。
大好きな黒鋼の匂い。
「黒鋼は石鹸の匂いがするんだよ」
「そりゃ石鹸で洗ってるからな」
「もっとギュッてして」
仕方ねぇなと呟きながら、強く私を抱き締める黒鋼の鼓動が聴こえた。
どくんどくんと、私と同じ。
熊みたいって言ったら、怒るかな、怒るだろうな。
「熊みたい」
「ああ!?」
「何も言ってないよー」
ほらね。
おっきくて、力強くて、頼りがいのある。
ずっと抱き締めていてほしい。
(了)
※お題配布元…確かに恋だった 様
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