いざよふ

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陽も落ちあたりが暗くなりだした頃
俺はあてもなくふらふらと街を歩く
さすが歌舞伎町なだけあってネオンの光は途絶える事を知らない
あちらこちらで店への勧誘する声
そしてそんな声に誘われ店に入って行く沢山の男と女
寂しさを埋め安らぎを求めるべく人はネオンに集まる
まさに蛍光灯に集まる虫の様に
そんな騒がしい街の中で偶然知り合いが歩いているのを俺は見つけた

「よお月詠、まさかこんな所で会うとはな」
「銀時、夜遊びはほどほどにな」
「会って早々にそれっておかしくない!?」
「冗談じゃ」

そういうと月詠は笑った
その笑みはあまりにも綺麗で一瞬にして俺は目を奪われた
だから月詠が話かけているのに気付かなかった

「おい銀時!」
「!?な、なんだ」
「無視とはいい身分じゃの、」
「悪かったって」
「もういい。わっちは帰る」

そういい放つや否や月詠はドシドシと音がしそうな歩き方で歩いていく
そんな中俺は慌ててなぜかポケットをまさぐる
すると手に何かが当たった
ずるりと引き出してみるとそこにはいちごみるくの飴

俺は包みを外し飴を手に持って月詠を追いかける
案外簡単に追いつき月詠の片腕を掴み後ろへと引っ張る
当然驚いた月詠は俺の顔を見るや文句を言い始めた
だから月詠の口に先ほどの飴を突っ込んでやった

「お、お前はいきなり何をするんだ…!」
「何って、飴を口に入れただけだけど
え、もしかして口移しが良かっ グへッ!」
「お前は馬鹿か!死ね!」

顔を真っ赤にした月詠はそう言い放って走って行った
俺は思いっきり殴られた顎をさすりながら(アッパーはねぇだろ…アッパーは…)走り去って行く月詠と空に浮かぶ月を交互に見つめた






きまぐれ家』の萩月さんより、素敵な銀月頂いてしまいました。
ちょっと強引な銀さんとツンツンな月詠が可愛いですv
ありがとうございました。

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