いざよふ

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twitterでお題小説や突発的に書いたもののログです。ほぼオリジナル。
140字以内で改行無しなので、読みにくいかもしれませんが、あえてそのままにしてあります





同題SS『背中』
ずっと追いかけてきた背中が、急に小さく見えたのはいつからだろうか。身体が思うように動かなくなったのだと、母は笑う。何があろうと僕を守ってくれた母。大きくて頼もしい背中。今日、歩けなくなった母を自分の背なに乗せた。その軽さに思わず涙が零れた



【神社】【最後】【驚き】
「お前なんか死んじゃえ」そう言うと、彼女の目が驚いたように大きく見開かれた。それが彼女を見た最後だ。彼女は神社で四肢を切断されて死んでいた。それは正しく自殺だった。いや、自殺行為と言った方が正しい。彼女の死体の近くには僕の写真と藁人形、それから五寸釘が落ちていたという



『女』『茶碗』『タルト』
茶碗が割れたのだと女は笑った。それを片付けるのに忙しいのだと。だがそれくらいのことで休む必要はないだろう。俺は憤って女の家へと向かった。チャイムの壊れたそこへと踏み込むと、そこにはタルトを頬張る女の姿があった。周囲には大量の陶器の欠片。その中で繰り広げられる日常に思わず眩暈がした



『頭痛』『速度』『自己暗示』
彼女と喧嘩して飲んだくれた翌日、頭に走る痛みによって目を覚ました。今日こそ講義に出なければヤバい。「大丈夫。頭痛なんて気のせいだ」と自己暗示をかけた所で、痛みは一定の速度で襲ってくる。泣きそうな気分で携帯を開くと、彼女からごめんね、大好きとメールが来ていた。今日は何とかなりそうだ



『白昼夢』『トンボ』『火星』
白昼夢という物を初めて見た。僕は宇宙服を着て火星の大地に立ち、その隣で君が笑っている。君も宇宙服を着ないと、と僕が言うと、ただ寂しそうに首を横に振った。季節外れのトンボが横切り、僕はその幻想から目を覚ました。人はきっと、死ねば宇宙へ行くのだ。病院の前で立ち尽くす僕の頬を涙が伝った



青空のまぶしい公園 が舞台で『傘』が出てくるバッドエンドな話を2ツイート以内で
その日は冬にしては随分と暖かい日だった。青空が眩しく辺りを照らし、小春日和の名に相応しい午後。僕は公園のベンチでうらぶれていた。なんてったって僕は無職で、今もハロワ帰りだ。そんな僕の目に飛び込んで来たのは、赤い傘を差した少女だった。
雨も降っていないのにおかしな子どもだ。そう思いながら見つめているうちに違和感に気づいた。今はまだ1時過ぎ。まだ学校の時間ではないか。そして僕は気づいてしまった。彼女の赤い傘が、赤く染まった傘であることに。そして今、その傘には僕の色も加わっている



朝陽のあたる堤防 が舞台で『ネクタイ』が出てくる救いのない話を1ツイート以内で
時刻は午前6時40分。目に沁みるような朝陽が海を照らしていた。凍てつく風に煽られながら、僕は堤防から海を眺めた。この景色を、僕はずっと昔から見てきた。ランドセルを初めて背負った時、制服に袖を通した時、慣れないネクタイをしめた時。そして今日、この景色に君を落とした



【焼き魚】【鎖】【契約】
「契約とはつまり鎖、呪いみたいなものだ」僕の隣で昨日突然現れた少女が、偉そうな口を叩いた。「だから契約を破れば必ず死ぬ」焼き魚を頬張りながら、少女は尚も説明を続ける。「だから死んでくれ、私のために。私にも好みがあるんでな」とりあえずこのガキを殴っていいだろうか。



『舞台』『ボタン』『チェス』
華やかな生涯を歩んできた人は、人生を舞台に喩えた。歯車として生涯を歩んできた人は、人生をチェスの駒に喩えた。ならば平凡な者の人生とは何なのだろうか。悩んだ挙げ句、出た結論はこうだ。「僕がどちらかに成ればいい」だから僕は、命ぜられるままに爆弾のスイッチを押した。僕は今舞台の上にいる



『通信』『入道雲』『コーヒー』
ハローハロー、こちらCQ。通信器機に呼びかける。淹れたてのコーヒーからは湯気が立ち上り、辺りにふわりと香りが漂った。空は晴天。窓から見える入道雲が、夏の到来を告げている。ハローハロー、こちらCQ。誰かまだ、地球で生きてますか



『目玉焼き』『録画』『国』
フライパンの上でジュッという目玉焼きの焼ける音が響いた。テレビの中ではコメンテーターが今後の国の在り方について、訳知り顔で語っている。まあ、録画なので彼が語っているのは過去の話になるのだけど。この街から人がいなくなって数年。今は僕だけが暮らしている。



『包丁』『保護色』『猫』
虫という生き物は実に素晴らしい。擬態や保護色により外敵から身を守り、時に自らの母すら食い破る生存本能。完璧な生き物だ。それに比べてペットはどうだ。人間に媚びぬと生きられない哀れな生き物。僕はいつもの様に餌を求めて擦りよる猫に包丁を向けて呟いた。「弱肉強食、だよ」



『ムカデ』『群れ』『自己暗示』
馬鹿なことをした。そう後悔したってもう遅い。無能な上司の元について早3年。今までずっと耐えてきたが、自分のミスを私の部下に押し付けた所でキレた。上司に暴言を吐いたせいで山の中の部署へ左遷。百足の群れを気のせいだと自己暗示をかけて毎日を過ごしていた



『景色』『夏休み』『濃厚』
辺りを漂う熱気は暑いと云うより濃厚という言葉がぴったりだ。辺りを見渡せば人、人、人。学生も多数いるようだ。そういえばもう夏休みだったか。観光地へと来たというのに、景色を楽しむ余裕さえない。来年は金貰っても来てやるものか。祭の準備を手伝いながら、僕はそう心に誓った



《月食にて》
だんだんと雲が晴れていく。雲さえも照らす穏やかな光は、欠けていく月と共に、徐々に弱まってゆく。少しずつ月が太陽に呑まれていく様は、道行く人々の足を止めた。
時が経つにつれて、少し、また少し、暗闇が光を呑み干していく。その様は月をよりいっそう美しく魅せるのだった



周りが闇で包まれているほど、星は辺りを明るく照らす。その星を疎むも標にするも、決めるのは自信だ。星はただ瞬いている





《Thanks》
ついのべ三題ったー
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文章を作れったー
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