いざよふ

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twitterでお題小説を書いたもののログです。ほぼオリジナル。
140字以内で改行無しなので、読みにくいかもしれませんが、あえてそのままにしてあります






『群れ』『CD』『緑』
「何あの人の群れ」とある店の前で随分と人がたむろしている。あそこは確かCDショップと本屋が一体となったような店だったはずだ。「なんかアイドルとか来るらしいよ。にしてもすごいね。みんな服が緑だよ」皆が似たような服装に身を包んでいる姿はどこか滑稽だ。「しかも3D映像らしいよ」「え?」





【網】【バナナ】【散々】
【ケモノキングダム】今日も今日とてオオワシは散々な1日だった。朝から網に絡まり、落とし穴に落ち、上から槍が降ってきた。「罠仕掛けさせといて何だが、よくあそこまで引っかかるな」「バナナ!」「うるさい!」顔を真っ赤にさせながら怒るオオワシに、ライオンは自然と笑みを浮かべた。





『白昼夢』『年齢』『すごろく』
一瞬、自分の名前も年齢も、性別さえも分からなくなった。まるで白昼夢でも見ているかのような感覚。ゆっくりと傾いでいく肢体。何の音も聞こえず、現実感すら消え失せた。進むべきゴールが決められた、すごろくのような僕の人生。それを終わらせたのは、自らの意志と、鉄の塊がもたらす衝撃だった





【到底】【自然】【手】
唐突にわしゃわしゃと髪を乱され、思わず後ろを振り向いた。「これで自然体とかって到底信じられんわ。どうやったらこんな真っ直ぐになんの」尋ねて来た奴を無視して手櫛で髪を直すと、そんだけで直るなんて不公平だと口を尖らせた。「俺からすりゃテメーの天パが信じられんわ」





『ぬくもり』『雨』『カーテン』
いつもより冷たい空気が布団の隙から入り込む。その肌寒さで目が覚めた。カーテンの向こうでは雨がベランダの窓ガラスを叩く音。どうりで寒いはずだ。隣で寝てるはずの君のぬくもりを求めて腕を伸ばす。が、そこは空っぽのままだ。――ああ。君はもう隣にいないんだった





【神社】【桜】【趣味】
桜の舞う社に、君は居た。白い衣と赤い袴姿は、見ていてクラクラする。「神社といえば巫女衣装、ってね」そう言った君の笑顔は、とてもいい笑顔だった。「正直、趣味を疑うよ」ガだいのいい彼に、巫女装束は少々窮屈そうだ





『フルボッコ』『書簡』『時計』
早足に鳴る柱時計の音で目を覚ますと、辺りは何故か暗闇に包まれていた。さっき鐘は10度鳴った気がする。これはマズい。今日消印が必要な書簡がまだ手元に残っている。「やべーよフルボッコ確定だよ」しかし郵便局などとうに閉まっている。俺は諦めてもう一度寝ることにした





『薔薇色』『留守』『内股』
人生薔薇色とはこの事だろう。緩む頬を抑えきれない。先週、俺にもついに彼女ができた。今日はお泊まりデートだ。今頃、留守番をしてくれている彼女を思うと笑みが浮かぶ。手料理を食べて、DVD見て、その後は…。自然と内股になるのはご愛嬌だ。ただ一つ問題がある。彼女が画面から出てきてくれない





『白鳥』『飛行機』『虹』
「白鳥の湖?バレエの?」「そう。次の曲にどう?」どうと言われても知らない曲だ。首を傾げると溜め息が返ってきた。そんな私の目に、不意にどこまでも蒼い空に浮かぶ一筋の飛行機雲が飛び込む。それを見た瞬間、頭の中に自然とメロディが流れた。「――にじ。にじがやりたいです」





『ネックレス』『包丁』『布地』
散乱したネックレスを、僕はただ呆然と眺めていた。夏らしい明るい色のワンピースは赤黒く染まり、いまやただの布地になっている。痛かったろうに、苦しかったろうに。彼女の腹には幾度も刺した痕があった。目を覚ましたばかりの僕の手には包丁。そんなに僕が憎かったのか





『ライブ』『流行』『鉄棒』
気の強い彼女が泣く所を始めてみた。公園の鉄棒に腰をかけ、声を殺して涙を零した。「これあげる。もう要らないから」そう言って彼女が寄越したのは、最近流行っているらしいバンドのライブチケット。恋人と行くのだと楽しみにしていた。「だったら、僕と行こう」僕はずっと、君のこと……





『ぬくもり』『包丁』『速度』
今、私はとても満たされた気持ちだ。右手には暖かなぬくもり。それをくれた君が、こんなにも愛しい。空は抜けるように蒼くて、雲の白がゆっくりとした速度でそこに絵画を描いている。「愛してる」そう言ってもう一度私は君を抱きしめた。暖かな血に塗れた包丁を、未だ握りしめたまま





『責任』『英語』『骨』
『自分の言葉に責任を』そんなこと、骨身に染みて分かっていたはずだった。どうして別れようなんて言ってしまったんだろう。街には彼が好きだと言っていた英語の曲が流れている。確か、片想いの人にフられた悲しい歌。その歌を聞きながら、涙が私の頬を伝っていった





『プール』『模様』『募集中』
プールの監視員募集中。バイトの面接にことごとく落ち、意気消沈していた俺の目に、そんな謳い文句が飛び込んできた。たった今まで曇天を通り越して雨模様だった気分に、一筋の陽光がさした気分だった





【正午/薄明かりの中で/波/シーツを替える】
正午だというのに薄暗い部屋。締め切ったカーテンの隙間からもれる薄明かりの中で、男は体を起こした。隣では一糸纏わぬ女が疲れきった様子で眠っている。昨夜の波打つ彼女の身体を思い出しながら、シーツを替えないといけないなと、どこか冷めた気持ちで呟いた





【深夜の駅」で登場人物が「すれ違う」、「雨」という単語を使って】
終電でうっかり寝過ごしてしまってたどり着いた見知らぬ駅。天気予報は大きく的を外して雨。おまけに傘もないし、タクシーに乗るような金もない。そんな中、不意に差し出された傘。「良かったら入りませんか」そう言ったのは、いつも最寄り駅ですれ違う人だった。



《Thanks》
ついのべ三題ったー
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文章を作れったー
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やや大人のお題ったー
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恋愛お題ったー
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