沖田家×憑き物筋

 銀魂の沖田家は憑き物筋だったのではないか。
 憑き物筋は家系に獣が憑き、その家を裕福にするもの。しかしその富は他の家から奪ってきたものだと考えられており、周囲から忌み嫌われる。豪農など、その土地に古くから居る裕福な家庭ではなく、一代で財を成したもの、特外部からの入居者が憑き物筋と呼ばれる傾向にある。よそ者が成り上がる姿への嫉妬と、憑き物という考え方が結び付いた故という考え方が濃厚。また、嫁ぎ先にも憑き物を連れていくとされ、縁談も断られることが多い。

 沖田家は一代で財を成した家系なのでは。両親が亡くなっても、幼い二人が10年程度暮らしていける財はあった。また、両親が亡くなったにも関わらず、誰も二人を引き取らないところから、親戚は近くにいない。
 ならば、沖田家は村からすれば余所者の可能性がある。余所者が突然、財を成し、成り上がる姿を見て村人は言う。
「彼らは憑き物筋なのではないか」と。
それはまことしやかに囁かれ、とうとう村の中での真実になってしまう。村人からは忌み嫌われ、沖田家は孤立する。

 そんな中で沖田姉弟の両親が、幼い二人を残して死亡する。それを見て村人たちは「獣に祟り殺された」と、さらに彼らが憑き物筋なのではという確信を深めていく。

 憑き物筋に友だちなどできるはずはなく、沖田姉弟は孤立を深める。その中で、ミツバはなんでも笑顔でやり過ごす対人スキルを身に付ける。年の離れた弟を護るためにも、人当たりよく振る舞っていただろう。
 一方で総悟はひねくれ、誰も寄せ付けなくなっていく。
 そんな中で対等に接してくれたのが近藤さん。養子の近藤は憑き物筋という存在自体に暗く、偏見がなかったかもしれない。そもそも、実害が無ければ誰とでも親しく付き合う人の良い所に依る所も大きいだろう。だから自然に付き合えた。
その後、憑き物筋のことを知たとしても、近藤さんは「俺はなんともねェしなぁ」と普通に接しそう。
 土方は「そんなもん、いねェ」って言いながら内心ビビりそうだが。たとえ災難が降りかかったとしても付き合いやめることはない。何よりミツバを愛していたから。
 しかし、彼らは江戸へと旅立ってしまう。
 ここで総悟がミツバを置いていったということは、この時点でもしかしたらミツバは発症してたからか、生活が安定してから呼ぼうと思ったからだろう。
 一方のミツバは、憑き物筋に縁談が来るわけもなく、病もあって就職も出来ず、しばらくは総悟の仕送りと家の財産で暮らしていたのでは。
 そんな中で舞い込む江戸からの縁談。多少、怪しくても「そーちゃんを楽に出来るなら」と飛び付くだろう。そしてミツバ篇へと続く。

【補足】あくまで「憑き物筋だと思われている家系」としての考察です。
 次々家系が死んでいくのは、どちらかというと「憑き物を憑き物筋につけられた側」なので、憑き物をつけられた側という考え方もありか。憑き物と同時に幸運や財も得られるから。その代わりに生命力が奪われるため、短命になりやすい。特に病で死にやすい。
このように、憑き物をつけられた側の家系もまた、「憑き物筋」と呼ばれ、忌み嫌われる。

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